小島健輔の最新論文

ブログ(アパログ2019年08月19日付)
『栄枯盛衰は世の常』
小島健輔 (株)小島ファッションマーケティング代表取締役

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 20世紀が終わってもう20年の節目が近づいているが、前世紀に繁栄した企業は今日も健在だろうか。SPACラストコンベンションに当たって00年当時と今日の売上上位企業を比較してみた。
 フォーチュン誌がランキングした00年の米国売上上位500社のうち、破綻や合併で52%の企業が消えたというが、それはアパレル事業者とて大差ない。01年の株式上場米国アパレルチェーン売上上位20社のうち、今日までに破綻や合併で11社が消えている(破綻8社、合併3社)。
 その中で一位のギャップと二位のLブランズ(01年当時はリミテッドブランズ)は変わらず、最もランクアップしたのはライフスタイルセレクトのアーバン・アウトフィッターズ(18位→5位)だった。Lブランズは今年1月の「ヘンリ・ベンデル」閉店でアパレルから完全撤退しており、アン(01年当時6位のアン・テイラー)を合併したミセス/Lサイズアパレルのアセナ・リテイル・グループが事実上の2位になる。
 01年の我が国アパレル業界上位20社は今日まで破綻はなく、サンエーインターナショナル(01年当時14位)と東京スタイル(01年当時20位)が合併したTSIが6位に躍進し、ジャヴァグループが伊藤忠を経て投資ファンドに売却され、ビギグループが三井物産の傘下となったのが特筆されるぐらいだが、順位の変動は激しい。一位のファーストリテイリングは今日まで断トツの首位を堅持しているが、イトキンやレナウン、三陽商会など、大きく順位を落としてベスト20の圏外な落ちた会社は半数の10社を数える。その中で健闘しているのがワールドとオンワードで、今も連結で2位と3位に位置している。
 00年以前と以降で大きく変わったのが規制緩和による出店方式、それに伴う財務体質の転換がもたらした本格的SPA化、ブロードバンド革命に発したEC化とデジタル化、クラウド化と分散処理の急進で、それらのインフラ乗り換えの巧拙が明暗を分けた。その要点は普通借家出店から定期借家出店へ、百貨店から駅ビルやSCへ、08年以降は店舗販売からECへ、18年以降は宅配便依存を脱するC&Cへ、商品開発と情報システムは・・・・・お後はSPACラストコンベンションの会場でお話ししましょう。

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