小島健輔の最新論文

ブログ(アパログ2018年02月28日付)
『今春のファッションマーケット観』
小島健輔 (株)小島ファッションマーケティング代表取締役

e2b0d465f3671bc21e63d048559c35ef

 

 平昌オリンピックは終わったが(パラリンはこれから)、ファッションの世界では機能性要求の高まりもあってスポーツ&アウトドアの勢いが止まらない。18AWのコレクションシーンでもアスリートからスノーボーダー、果てはファイヤーマン(ガテン×ユニフォーム)までスポーツやアウトドアとストリートやワークのリミックスが花盛りだが、今春の店頭ではスポーツやアウトドアとナチュラルやワーク(カントリーやカーペンター)のリミックスが目を惹く。
 レディスの通勤服では合繊使いのユーティリティ志向が顕著だが、カジュアルではカントリーやカーペンター、モロカンやサーファーなど自然素材のナチュラルアイテムとスポーツ〜ユニフォームの合繊アイテムの様々なリミックスが広がっている。メンズでもビジカジ〜カジビジは合繊機能アイテムが拡大して「アクティブ・スーツ」的合繊セットアップも目立つが、カジュアルではスポーツやアウトドアが尚も拡大してカントリーやガテンとのリミックスも広がり、今春はハンティングベストが台頭している。
 男女ともビジネス〜カジビジが機能要求で合繊シフトとゆるフィット化が進む一方、カジュアルはオーバーサイズ化に加え、アウトドア&スポーツな合繊機能アイテムとカントリーやガテン、サーファーなどナチュラルアイテムの両極に向かっている。レディスのカジュアルでは両極のリミックスが目立つが、メンズのカジュアルではどちらかでまとめるスタイリングが主流だ。
 例年ならGWに向けてナチュラルアイテムに切り替わって行くが、今年はマウンテンパーカやトラックジャケット、シャカパンツなど合繊のスポーツ&アウトドア・アイテム、オーバーオールやサロペットパンツ、ハンティングベストなどのカントリー&ガテン・アイテムがGWの主役になるかも知れない。ようやく暖かくなるこれから、需給は週サイクルで変化していくから、業界も忙しくなるのだろう。
※客層別のスタイリング変化は毎月の「SPACレポート」に多数のカラーイラスト付きで詳報しています。

論文バックナンバーリスト