小島健輔の最新論文

ブログ(アパログ2018年03月23日付)
『「店内撮影禁止」ってナンセンス!』
小島健輔 (株)小島ファッションマーケティング代表取締役

2125ブログ写真

 昔はどこの店も価格やデザイン、果てはディスプレイまで真似されないよう「店内撮影禁止」を謳っていたものだが、SNSがブーム化した近年はインスタ効果などを狙って、あるいは積極的にネットとの価格比較を勧めて「店内撮影ご自由」としたり、未だ「撮影禁止」にしている百貨店や高級ブランド店でもSNS発信を促す「インスタポイント」を設けたりしている。
 今時の撮影はスマホが主流だからビジュアル情報の流出を避けたいのなら「店内スマホ利用禁止」を謳うべきで、ECへ顧客が流れるショールーミングも防止出来るが、そんなことをすれば大炎上は避けられない。なし崩し的に「店内撮影ご自由」になっていくのではないか。
 店側とて、それを止められない弱みがある。流行のレジレス店舗では数百台のカメラが陳列棚から顧客の一挙手一投足までビデオ撮影して行動解析しており、一般の百貨店や駅ビル、SCなどでも万引き防止と顧客行動解析のために多数のビデオカメラが顧客を撮り続けている。そんな許可を求められた覚えもないのに、店側が一方的に「店内撮影禁止」を謳ってよいはずがない。
 公共的な施設が防犯や利便改善のためにビデオカメラ撮影を行うのはともかく、営利事業の商業施設が顧客の許可無く多数のカメラで常時撮影する一方、顧客には「店内撮影禁止」を強要するのは、プライバシーを一方的に侵犯し、情報の非対称性を拡大して顧客を不利な立場に貶めるものだ。
 FACEBOOKが個人情報の漏洩で批判に晒されているが、レジレス店舗や商業施設のビデオカメラ映像無断利用もいずれ批判の遡上に乗りかねない。それがお厭なら、間違っても「店内撮影禁止」など不用意に謳わないことだ。

論文バックナンバーリスト