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ブログ(アパログ2018年02月09日付)
『POSって怪しい!』
小島健輔 (株)小島ファッションマーケティング代表取締役

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 ランチは時間を惜しんでコンビニのサンドイッチと菓子パンで済ませることが多いが、ホントに欲しい商品が買えるのは三日に一度ぐらいで、欠品で次善、次々善の商品を買わされるのが三日に二日というのが常だから、コンビニのPOSというやつは相当に怪しい。
 これはコンビニ業界で最も強大で進んでる某社のしかも一等立地の人気店での話で、同じ某社の近所の店はさらに品揃えが安定せず欠品が常態化している。これが24時間オンラインPOS完備で毎日、二便も三便も補給しているエクセレントなコンビニチェーンとは到底思えず、毎日のランチを頼っている顧客から見れば欠陥だらけのPOSだと罵りたくなる。
 そんな事が起こる要因は在庫リスクを背負わされたFC店という根源的な立場はさて置き、POSというシステムの欠陥に限れば以下のようなものだと推察される。
1)欲しい品が欠品ゆえ次善、次々善の商品で妥協しても、POSは第一希望と同様に認識してしまう。これで“売れた”ことになるのだろうか?そんな時はホントに欲しかった商品の空き棚バーコードをスマホでスキャンすればレジに飛ぶか本部に届くようなアプリがあれば良いのだが、そもそも空き棚バーコードなんて何処にも張ってない。
2)そもそもPOSは“後ピン”で、明日や明後日に起こる情況を予測し切れるものではない。天気予報のような動態予測システムだと多少はズレても信頼性が期待出来るが、単なる“後ピン”では明日を予測する精度は望めない。『今日、株が上がったから明日も上がる』という線形幻想か周期幻想(パターン認識)に等しいのではないか。
 AIを活用しても個人の意志を予測するのは限界があるから、本人に聞くのが間違いない。と言う訳で、明日も欲しいならレジで精算するとき意思表示すればバーコードスキャンで予約される仕組みにすればよい。
 何を馬鹿な事ばかりと思われるかも知れないが、今のPOSは“後ピン”の情況証拠であって明日を予測する精度は極めて低い。ビッグデータで勝手に個人情報を使いまくられても特定の個人にとってメリットは薄い。“個人の意志を問う”先ピンPOSシステムの発想が必要なのではないか。

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