小島健輔の最新論文

ブログ(アパログ2019年03月07日付)
『因果を断ち切って明日を開け』
小島健輔 (株)小島ファッションマーケティング代表取締役

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 ZOZOが一転して苦境に立たされているのは寡占的地位に胡座をかいて取引先を蔑ろにしてきた因果の報いで、百貨店が辿った因果と応報の轍を寸分たがわず辿りつつある。それはファッション業界総体とて同様で、時々の時流に流され流通を非効率化してお値打ちを切り下げ顧客を裏切り続けて来た因果の報いに沈んでいる。IT/AI仕掛けのニュービジネスは風穴をあけることは出来ても業界総体の凋落を止めるには力不足で、因果の原点に立ち返って問題を解決し応報の呪縛を断ち切らねばならない。
 ファッション業界がここまで凋落したのは84年から今日に至る5段階の堕落という因果の報いに他ならない。その堕落の歴史を振り返り、その時々、何を誤ったのかを検証して反省し、その轍を踏まぬようマーケティング、マーチャンダイジングからサプライチェーンとロジスティクス、出店政策、店舗運営までマーケットと調達背景、顧客と現場を直視してビジネスモデルを再構築するべきではないか。さすれば少子高齢化で社会構造もライフスタイルも消費行動も一変し、ITの加速度的な進化でリアルとバーチャル、店舗とECが一体化する明日へ、誤りなきレールが敷けるはずだ。
 ファッション流通の半世紀を振り返って因果と応報の呪縛を絶ち、最先端ニューリテールのテクノロジーと実用性を見定め、オムニコマースなW&SとC&Cがもたらす店舗とECの融合と再編の道程を明確に描き切る『FB再生とビジネスモデル革命ゼミ』を是非とも聞いてもらいたい。

※W&S・・・・ウェブルーミング&ショールーミングの双方向購買誘導
※C&C・・・・クリック&コレクト。EC注文品の店受け取りやお試し、店在庫引き当てや店から出荷など、ECプラットフォームをベースとして顧客利便と運営効率を競うオムニコマース体制。

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