小島健輔の最新論文

ファッション販売2004年12月号巻頭カラー掲載
『格調高くコンサバ路線でオープンしたバーニーズ・ニューヨーク銀座店』
(株)小島ファッションマーケティング代表取締役 小島健輔

 バーニーズ・ニューヨーク銀座店が10月1日、銀座交詢ビルにオープンした。90年11月開設の新宿店、93年8月開設の横浜店に続く国内三番目の店で、地下一階〜二階の3フロア計2.900㎡を占める。
 米バーニーズも手掛けた建築家のジェフリー・ハッチソン、アーチストのジョン=ポール・フィリピによる内装はモダンとクラシックが融合した洗練されたもので、マジソン街バーニーズのセンスが凝縮された印象。3層を突き抜けるアイアンのオブジェがバーニーズのアートとダイナミズムを象徴している。
 ドアマンに迎えられて重厚なエントランスを入ると明るくモダンな空間が開け、その中央にアイアンのオブジェに飾られた階段が4メートルの天井を貫いて聳える。入って左はレディスのビューティ関連、正面から右 は同アクセサリー&ジュエリー。そのまま二階に上がるとレディスのフロアで、左回りにコンテンポラリースポーツウェア、シューズ、イブニングウェア、デザイナーズコレクション、チェルシーパッセージ(ギフト)、スポーツウェア、バーニーズ・ニューヨークコレクションと続き、最深部にはランジェリー、ブライダルサービスが配置されている。
 一階の階段から奥は一転してクラシックな内装のメンズとなり、シャツ/タイからアクセサリーまでドレスファニシングが展開されている。目前の階段を降りると地下がメンズフロアで、右手にシューズ、正面にスポーツウェア、左回りにデザイナーコレクション、スポーツファニシング(「MaLo」「Zegna Sports」など)、スーツ/コート/フォーマルウェアと配置されている。
 交詢ビルという格式在る立地を意識してかレディス/メンズともMDはコンサバ&アダルトに過ぎ、バーニーズらしいコンテンポラリーな印象は薄い。伊勢丹本店メンズ館流に言えば、オークラ系に偏り過ぎ、ハイヤット系の‘悪’っぽさが打ち消されている。代理店経由のブランド別展開がほとんどでリミックス編集も無く、最近の伊勢丹に比べると大人し過ぎる。銀座といっても最近はコンテンポラリー&スタイリッシュな店が増えており、ちょっと時代錯誤な印象を否めなかった。

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