小島健輔の最新論文

ブログ(アパログ2017年12月21日付)
『FF失速してリアル&ローカルへ』
小島健輔 (株)小島ファッションマーケティング代表取締役

 今秋冬商戦のブランド別売上を検証すると春夏商戦とは一変した動きが目に付く。そのキーポイントは「リアル&ローカル」に尽きよう。「H&M」は一段と落ち込み、一人勝ちだった「ZARA」まで失速してファストファッションの落日を印象づける一方、「ユニクロ」やジーンズカジュアルの一角が復調し、ストリートブランドの爆発も目を惹くから、欧米トレンドに背を向けた「リアル&ローカル」が勢いを増しているのは間違いない。 如何にファストにトレンドを捉えてもMDやDBの手練手管を駆使しても“笛吹けど踊らず”で、トレンドに踊らされず自分のライフスタイルに無理の無い「リアル&ローカル」な衣生活を志向するのが我が国のみならず先進国市場に共通する傾向となりつつある。「ファストファッション」が席巻した一時代が終わろうとしているのは間違いない。
 「リアル」を象徴するのがアイロン要らずのイージーケア(クリーニング屋要らずでもある!)と軽量性、撥水・透湿・防寒・保温などの機能性で購入の第一要件となった感さえあり、18AW向け素材も「リアル」一辺倒なのが恐ろしい。「ローカル」を象徴するのがイージーフィットで、“アスレジャー”や“ガテン”というTPO否定の脱力トレンドも加わって勢いを増している。
 米国ではアメカジやジーンズカジュアルの一部が復調し土臭いカントリーカジュアルが再評価され、日本でもジーンズカジュアルの一角に復調が見られるが、製品洗いのラフな面が勢いを盛り返すとまで見るのは早計に過ぎよう。来年もイージーケアと軽量性・機能性は加速こそすれ後退はなくキレイ目志向も続くから、「リアル&ローカル」とは言っても土臭いローカルストリートの復活を期待するのはまだ早い。
 そんな展望に立って製作を急いでいるのが当社の18AW版「MDディレクション」で、 タイプ別ブランド売上&スタイリング変化検証に基づくローカルエスニックな「客層マップ」作成、秋⇒冬⇒梅春の「MDテーマ」設定を終えて「素材構成ボード」作成に入っている。年内には完成させて年明けからクライアントへのディレクションを始めるので、ご興味のある企業はお問い合わせください。

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