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	<title>小島ファッションマーケティング &#187; 論文</title>
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		<title>ダイヤモンド・チェーンストアオンライン『プラットフォーマー化する大手アパレルが直面する、OMOの理想と現実』(2026年04月30日付)</title>
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		<pubDate>Thu, 30 Apr 2026 07:50:49 +0000</pubDate>
		<dc:creator><![CDATA[kojima_admin]]></dc:creator>
				<category><![CDATA[論文]]></category>

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		<description><![CDATA[　オンワードHDやアンドエスティHDなどエンジニアを抱えて自社ECを拡大して来た大手アパレルが、他社ブランドも取り揃える「プラットフォーマー」を志向している。無在庫・無リスクで手数料収入が入り、店受け取りなら自社店舗への [&#8230;]]]></description>
				<content:encoded><![CDATA[<p>　オンワードHDやアンドエスティHDなどエンジニアを抱えて自社ECを拡大して来た大手アパレルが、他社ブランドも取り揃える「プラットフォーマー」を志向している。無在庫・無リスクで手数料収入が入り、店受け取りなら自社店舗への新規顧客も期待できる薔薇色のビジネスモデルに見えるが、OMO戦略や効率的なロジスティクスを欠いてはコスト倒れになるリスクも指摘される。</p>
<p>&nbsp;</p>
<h3>■プラットフォーマーに変貌するアンドエスティ</h3>
<p>　旧アダストリアはアパレルチェーンという枠を超えて「Play Fashion プラットフォーマー」に変貌すべく、24年10月23日にこれまで「.st」として拡大して来た自社ECモールを「and ST」に改称し、25年9月1日より100%出資の新設子会社「株式会社アンドエスティ」に事業を承継。同時に本体も「株式会社アンドエスティHD」に商号変更して持ち株会社に移行した。</p>
<p>　ECモール事業をプラットフォーマーに飛躍すべく親会社と同じ商号を冠した子会社に事業移管し、顧客が慣れ親しんだ自社モールサイトも「.st」から「and ST」に改称して他社商品を拡大するという念の入った大仕掛けに、プラットフォーマーへの飛躍を「第五の変革」と位置付ける同社の意気込みが現れているが、もっと単純で親しみやすい方法もあったのではという見方もある。</p>
<p>同社によれば、1度目は1973年の紳士服店からメンズカジュアル店への業態転換、2度目は1982年のチェーンストア化、3度目は1997年のストアブランドによるOEM・ODM調達SPAへの移行、4度目が2010年の自ら企画・生産を手掛ける垂直統合型SPAへの挑戦で、今回の「小売業を超えたファッションプラットフォーマー」への挑戦が五度目の変革になる。4度目の垂直統合型SPAへの挑戦とてまだ道半ばでブランドリテール事業は成長が鈍化しており、次なる成長へと「小売業を超えたファッションプラットフォーマー」へ期待をかけている。</p>
<p>最新の26年2月期でアンドエスティHD全体のオンライン売上額は前期から4.8%増の763億円、うち自社ECサイト「and ST」のGMV（流通総額）は同14.8%増の462億円、他社モールでの売上が7.4%減の301億円だった。オンライン売上額763億円は同社国内ブランドリテール売上2658億円の28.7%に相当し、自社ECサイトGMV462億円はその60.6%に相当する。</p>
<p>「and ST」のGMVのうち自社商品が6.6%増の417億円（90.3%）で、他社商品は4倍増の45億円と9.7%まで拡大した。他社商品は期末時点で前期末から倍増の53ショップで、アパレルではユナイテッドアローズやジュン、バロックジャパンリミテッドの一部ブランド、ランジェリーではトリンプやワコール、化粧品・美容器具ではファンケルやマリークアント、靴ではニューバランスやオリエンタルトラフィック、バッグではマンハッタンポーテージやACE、雑貨ではアフタヌーンティーリビングやキャスキッドソン、食品ではディーン＆デルーカなどが出店している。カテゴリーは多様だが、自社ブランド顧客との違和感はない。</p>
<p>&nbsp;</p>
<h3>■「and ST」と「オンワードクローゼット」は何が違うのか</h3>
<p>　他社商品を広げてプラットフォーマーを志向しているのはオンワードのECサイト「オンワードクローゼット」も同様だ。26年2月期でホールディングス全体のオンライン売上額は前期から12.4%増の580億4600万円、うち自社ECサイト「オンワードクローゼット」のGMVは8.2%増の456億500万円、他社モールでの売上が30.7%増の124億4100万円だった。オンライン売上額580億4600万円はオンワード樫山とECを展開する国内事業会社の売上2053億1700万円の28.3%に相当し、自社ECサイト「オンワードクローゼット」のGMV456億500万円はその78.6%（オンワード樫山だけだと82.8%）に相当する。</p>
<p>　「オンワードクローゼット」ではストライプインターナショナルやワコールの各ブランド、TUMIやACE、ゼロハリバートンなどバッグや服飾雑貨のブランド、ジャパンメイドのファクトリーブランドなど多数の他社商品を扱っているが、GMV456億500万円のうち他社商品の取扱高は開示していない。「and ST」より他社商品の取り扱いが先行していること、フルフィルシッピング方式の「and ST」と異なってドロップシッピング方式であることなどから、他社商品の取扱高は「and ST」よりやや多いと推察される。</p>
<p>　自社ECサイトをプラットフォーム化する場合、他社商品をFC（出荷倉庫※）に預かって宅配出荷するフルフィルシッピング方式、受注を出品者に取り次いで出品者が宅配出荷するドロップシッピング方式、その中間のTC仕分け出荷方式がある。大規模に自動化しない限りFC運営はコスト負担が大きいから、他社商品を拡大するにはドロップシッピング方式の方が手っ取り早い。</p>
<p>　通販ビジネスの物流費負担は店舗販売とは桁違いに重く、フルフィルシッピングに徹して25年3月期で5747億円も取り扱うZOZOでも取扱高比で荷造運賃（外注宅配費）が6.5%、物流関連費（倉庫運営費）が3.2%、賃借料と減価償却費（大半が倉庫）が2.3%、計12.0%も要している。この他、100%キャッシュレス決済だから代金回収手数料も2.3%要している（ソフトバンクグループ傘下のLINEヤフー傘下になる以前は3%強を要していた）。</p>
<p>物流費負担は商品単価と出荷単価に逆相関するから、ZOZOの商品単価4038円／出荷単価8980円より低いと物流費負担率は当然にZOZOより重くなる。低単価のファストファッションに特化したECプラットフォーマーの「ショップリスト」が毎日、出品者に受注分を出荷センターに納品させ、自動仕分けして宅配出荷するTC仕分け出荷方式を採っていたのも必然だった。</p>
<p>アパレルでも中高単価ブランドが多く物流費負担が応分に収まっていたオンワードが、大小様々な形状で低単価商品も含まれる他社商材を拡大するにあたり、FC（出荷倉庫）を経由しないドロップシッピングに徹したことは「正解」だったと思われる。ならば、「and ST」がフルフィルシッピング方式を選択したことは「失策」だったのだろうか。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>※DCとTCとFC・・・入荷した商品を棚入れしてからピッキングして出荷する保管型のDC（Distribution Center）に対し、棚入れせず仕分けして送り出す通過型の物流施設がTC（Transfer Center）で、FC（Fulfillment Center）は通販の出荷用DC。</p>
<p>&nbsp;</p>
<h3>■プラットフォーマーへの課題</h3>
<p>プラットフォーム事業を移管した株式会社アンドエスティの26年2月期の連結消去前売上が140億円と開示されているから、GMV462億円に対する手数料率は30.3%と計算できる。GMVのうち他社商品は9.7%と限られるから、自社ブランド事業部に対する社内レートが大半で、他社商品に対するレートはやや高いと推察される。ざっくり社内レートを30.0%と仮定するなら、社外レートは33.0%と計算できる。</p>
<p>ZOZOの25年3月期では商品取扱高に対する売上高比率は37.1%だが、リテールメディア収入112億円など商品取り扱い以外の収入が150億円近くあり、それらを除けば売上総利益率は34.5%になる。商品取扱高に対する平均手数料率が34.5%でも私が知る限り、出品者の取扱高と出荷単価によって実際の手数料率は24%〜40%強と幅がある。ちなみに「韓国のZOZO」と言われるムシンサの平均手数料率は28.0%、アマゾンのフルフィルシッピングはもう少し低いと聞く。</p>
<p>ZOZOでは総利益率34.5%に対して物流費などの販管費率は23.2%だから営業利益が11.3%残る（経常利益には前述した収入が加わる）が、アンドエスティではどうだろうか。株式会社アンドエスティのGMVはZOZOの12.44分の１と桁違いに小さく、出荷倉庫運営の規模も経験値も大差があり、宅配業者の引き受け単価も相応の差があると思われるから、取扱高対比の販管費率は28%近いと推察する。社内レート30.0%に対しては2.0%、社外レート33.0%に対しても5.0%の利益しか残らない。</p>
<p>社外レートは出品者の取扱高と出荷単価で異なるだろうし、それは社内ブランドに対しても同様かもしれない。実際の運営コストに応じて手数料率は合理的に設定されるはずだ。ZOZOの取扱高に対する営業利益率は11.3%でも、売上対比の営業利益率は30.4%に跳ね上がるが、株式会社アンドエスティのプラットフォーム事業売上に対する営業利益率も3倍ほどに跳ね上がるから、30年2月期の連結売上高4000億円、GMV1000億円（うち他社商品GMV105億円）、連結営業利益率8%の足をひっぱることにはならないだろう。</p>
<p>それでも他社商品GMV105億円（ZOZOの55分の1）という目標に対して倉庫運営など物流費が折り合うかとなると疑問は否めないから、低単価商品や大型商品についてはドロップシッピングと柔軟に使い分けるべきで、先行受注商品やファストなひと蒔きトレンド商品などはTC仕分け出荷という選択もあると思われる。</p>
<p>&nbsp;</p>
<h3>■OMO戦略との相乗が成り立つか</h3>
<p>　プラットフォーマー化のもうひとつのメリットが、オンライン決済品の店舗受け取りによる新規顧客獲得だ。</p>
<p>　アパレルのOMOというとECサイトやSNSにおけるスタッフコーディネイト提案による販売促進と店舗誘導が挙げられるが、自社ブランドのスタッフコーディネイト提案では新規顧客の誘導は限られる。他社商品の店舗受け取りが広がると新規顧客獲得のチャンスも広がるから、アパレルECサイトのプラットフォーマー化では客層が近いランジェリーやナイティ、化粧品や服飾雑貨の他社商品が拡充される。</p>
<p>　オンライン決済品の店舗受け取りは前述したフルフィルシッピングやTC仕分け出荷では店舗物流への混載で物流コストを格段に圧縮できるが、ドロップシッピングだと個別に宅配料金がかかるだけでなく、宅配包装のコストと店舗での入荷と管理の手間も嵩み、宅配包装BOXをストックする空間も必要になるなど、格段にハードルが高くなる。</p>
<p>　「and ST」の場合、自社商品は店在庫検索による店舗在庫引き当ての店渡しも行われているが（ひとつのSKUに限られる「Quick Pick」）、複数のSKU（「Multi Pick」）になるとFCでまとめてから店舗へ出荷される。どちらもオンライン決済で店舗では「ショッパー渡し」だから、FC出荷品も裸包装で店舗物流に混載されていると推察する。他社商品の店渡しもFC出荷だから、「Multi Pick」と同様の手順で裸包装で店舗物流に混載されるのだろう。自社他ブランド、他社商品の店舗受け取りによる新規顧客獲得は合理的に仕組まれているようだ。</p>
<p>「オンワードクローゼット」の場合、百貨店内ショップが多いせいかオンライン決済しての店受け取りの仕組みはないが、自社商品は「クリック＆トライ」という取り寄せ試着が442店舗で可能で、試着して気に入れば店舗決済で購入できる。取り寄せた商品の購入率が気になるが、26年2月期では前期からやや上昇して44.44%だった。他社商品はドロップシッピングだから取り寄せ試着は難しく、店受け取りの仕組みもないから、他社商品による店舗での新規顧客獲得は想定していないようだ。</p>
<p>　プラットフォーマーを志向する「and ST」と「オンワードクローゼット」はそれぞれに学ぶべきことが多いが、他社商品拡大とOMO戦略の連携という点では百貨店内ショップの制約に縛られる「オンワードクローゼット」には限界があり、自社商品の店舗在庫引き当てと他社商品も含めての店渡し利便、店舗物流への混載など「and ST」に1日の長がある。これは優劣というより販売チャネルの制約であり、プラットフォーマー化とOMOを志向する多くのリテイラーが直面する課題だと思う。販売チャネルに仕組みを合わせるか、あるべき仕組みへと販売チャネルを再構築するか、という選択になるのではないか。</p>
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		<title> WWD　小島健輔リポート『アンドエスティHD決算に見る「挑戦」と「失敗」、そして求められる「革命」』(2026年04月14日付)</title>
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		<pubDate>Tue, 14 Apr 2026 07:45:50 +0000</pubDate>
		<dc:creator><![CDATA[kojima_admin]]></dc:creator>
				<category><![CDATA[論文]]></category>

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		<description><![CDATA[&#160; 2025年9月にアダストリアから商号変更して持ち株会社体制となったアンドエスティHDの最初の本決算となる26年2月期は、「挑戦」と「失敗」が交錯し、増収・営業増益ながら純利益は減益で、売上高・利益とも期初の [&#8230;]]]></description>
				<content:encoded><![CDATA[<p><a href="http://www.fcn.co.jp/wp-content/uploads/2015/01/f72df55f5ee5ad9f53469606aa5bc5f0.jpg"><img class="aligncenter size-large wp-image-8524" src="http://www.fcn.co.jp/wp-content/uploads/2015/01/f72df55f5ee5ad9f53469606aa5bc5f0-702x1024.jpg" alt="vg" width="702" height="1024" /></a></p>
<p>&nbsp;</p>
<p>2025年9月にアダストリアから商号変更して持ち株会社体制となったアンドエスティHDの最初の本決算となる26年2月期は、「挑戦」と「失敗」が交錯し、増収・営業増益ながら純利益は減益で、売上高・利益とも期初の予想に届かなかった。今期（27年2月期）から木村治氏から福田泰生氏へ社長も交代して再出発することになったが、商号も変えて5回目の変貌※1.を図ったアンドエスティHDにどんな課題があり、どんな打開策があるのだろうか。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>※1.5回目の変貌…アンドエスティHDは、過去4回ビジネスモデルを変更し、現在5回目となる「小売業を超えたファッションプラットフォーマー」への変革に挑む。1回目が紳士服店からメンズカジュアル店への業態転換（1973年）、2回目がチェーンストア化（82年）、3回目がストアブランドによるOEM・ODM型モデルへの移行（97年）、4回目が自ら企画・生産を手掛ける垂直統合型SPAへの挑戦（2010年）。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>
<h3>■「挑戦」と「失敗」で業績予想未達となった26年2月期</h3>
<p>&nbsp;</p>
<p>アンドエスティHDの26年2月期は「挑戦」と「失敗」が交錯し、売上高は前期比3.8％増の3043億5100万円と3000億円台の大台に乗ったものの期初予想にはわずかに届かず（99.8％）、営業利益も同6.5％増の165億2400万円と期初予想比87.0％、当期純利益は同1.2％減の94億9800万円と期初予想比76.6％にとどまった。一株当たり当期純利益は205.86円と前期から1.47％低下し、ROEは12.0％と前期から1.1ポイント、24年2月期の20.9％からは8.9ポイントも落ち込んだ。ROAも7.0％と前期から0.4ポイント、24年2月期の11.3％からは4.3ポイント落ち込んだ。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「今後の成長の本丸」と位置付けるECプラットフォーム事業はGMV（流通取引総額）が14.8％伸びて462億円に達し、外部ブランドの流通構成比も9.7％まで高まった。外部モールを合わせたEC全体も4.8％増の763億円と、国内ブランドリテール売上高の28.8％に達した。その一方、連結売上高の87.3％を占める国内ブランドリテール事業は4.4％増の2658億300万円にとどまり、営業利益もわずかながら（3.2％）減益で、営業利益率は前期の6.0％から5.6％に低下した（営業利益にはHDを含む）。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>グローバル事業は、アジアは伸ばしても米国事業の撤退で99.9％とわずかながら減収で連結売上高に占める比率は7.84％にとどまるが、営業利益は2.6倍と大きく改善され、営業利益率は5.8％と国内ブランドリテール事業（5.6％）を上回った。飲食事業の売上高は前期の14.0％増から1.1％増と急減速し、わずかに黒字転換したものの連結売上高の4.83％に過ぎず、業績への貢献は限られる。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>これら営業損益に加え、特別損失に24年に買収したトゥデイズスペシャルののれんと無形固定資産の減損損失25億200万円、店舗の減損損失11億3700万円、米国事業譲渡に伴う関係会社株式売却損6億9500万円、他計47億3800万円、特別利益に福岡物流センターの固定資産売却益34億4600万円他を計上している。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「挑戦」と「失敗」とは言うまでもなくライセンス事業の「フォーエバー21」とイトーヨーカ堂との協業事業「ファウンドグッド」で、前者は25年10月、後者は26年2月で終了している。23年春に立ち上げた「グローバルワーク」の生活圏型低価格派生業態「スマイルシードストア」も26年2月期末までに「グローバルワーク」に転換されて消えている。業績への影響は「軽微」としているが、新規事業への拙速な取り組みと短期での終了が企業イメージや内部の士気に影を落としたことは否めず、社長交代につながったという見方もある。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>25年9月には連結子会社ゼットンの財務経理責任者による1億7000万円の横領も発覚しており、ガバナンスの甘さも指摘される。総じて分散的な拡大に人材のリソースやガバナンスが追いついておらず、再成長するには一度、立ち止まって体制を再構築する必要がある。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>福田泰生新社長の下で27年2月期は、連結売上高を3.2％増の3140億円、営業利益を4.1％増の172億円（売上対比5.5％）、30年2月期は連結売上高4000億円、ECプラットフォーム流通総額1000億円、営業利益320億円（売上対比8.0％）を計画しているが、外部事業の買収は別として、内部のリソース（事業モデルやブランドと人材）は力不足かもしれない。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>
<h3>■進化なき拡大がもたらした運営効率の停滞</h3>
<p>&nbsp;</p>
<p>木村治氏が21年5月27日に社長に就任した22年2月期から26年2月期までの4期間の業績を俯瞰すれば、事業買収もあって連結売上高は51.0％増加し、営業利益は2.52倍、純利益も倍近く、純資産も5割近く増えたから、拙速な「挑戦」による「失敗」はあったにしても、積極的な事業分散経営は十二分に業績を拡大したと評価される。石井稔晃氏以降6代（うち2代は福田三千男会長の兼務）の社長の中で石井稔晃氏と並んで最も業績を伸ばした社長だったことは間違いない。とは言っても効率指標は必ずしも上向いておらず、事業は拡大しても運営の仕組みや精度はさほど進化しなかったことが指摘される。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>粗利益率は54.6％と22年2月期から0.5ポイント低下し、60％を超えていた10年2月期までの水準には遠い。販管費率は49.1％と22年2月期から2.7ポイント切り下げたが、42％台だったリーマン前とは比較すべくもない。営業利益率は5.4％と22年2月期の3.3％からは改善されたが、16年2月期の8.0％、20％に近かったリーマン前とは格差が大きい。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>棚資産回転は4.64回と22年2月期の5.18回から0.54回減速しており、20年2月期の6.07回、10回転を超えていたリーマン前には遠い。交叉比率も253.1と22年2月期の285.4から年々低下しており、300を超えていたコロナ前、600〜800だったリーマン前とは比較すべくもない。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>平米当たり売上高は22年2月期の67.2万円が73.4万円、79.3万円、80.5万円と25年2月期までは上向いていたが、26年2月期は77.3万円と4.0%低下し、22年2月期からは15.03％増にとどまった。この間に客単価が16.55％上昇したことを割り引けば実質の販売効率は全く伸びておらず、国内ユニクロ（25年8月期で102.8万円）の4分の3にとどまる。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>一人当たり売上高は26年2月期で2221.4万円と前期から1.23％上昇したが、前々期の2267.4万円を2.03％下回り、国内ユニクロの4260.6万円とは倍近い格差がある。一人当たり粗利益高は1212.4万円と国内ユニクロ（2160万円）の56掛けにとどまるから、ユニクロと賃上げを競うのは無理がある。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>こうしてみると、アンドエスティHDはプラットフォームに進化したEC事業を除けば、ビジネスモデルや運営の仕組みを進化させることなく戦線を広げて営業強化に突き進み、運営効率が停滞していったと捉えられる。それが国内ブランドリテール事業の実態だったのではないか。</p>
<p>&nbsp;</p>
<h3>■伸び悩むブランドリテール事業の突破口</h3>
<p>&nbsp;</p>
<p>国内ブランドリテール事業の売上高は、26年2月期で2658億300万円と前期比4.4％増にとどまるが、22年2月期からは40.9％増えている。国内ブランドリテール事業売上高の87.9％を占めるアダストリア本体も2335億6200万円と3.0％増にとどまるが、22年2月期からは36.3％増えている。連結子会社でZ世代狙いD2CアパレルのBUZZWITは125億6200万円と22年2月期から82.5％も伸びたが、前期は5.6％増、今期は2.3％増と減速している。連結子会社でベターレンジのセレクト業態を展開するエレメントルールは9.0％増の137億8100万円で、22年2月期から40.2％伸びている。アダストリア本体もBUZZWITも伸びが鈍化しており、本体の売上規模が大きいブランドの伸び悩みが成長の足枷になっている。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>国内ブランドで売上高が最大規模（538億4200万円）の「グローバルワーク」が前期1.9％増、今期も2.2％増と伸び悩み、「ジーナシス」（116億2500万円）が前期95.1、今期99.4と連続して前年を割り、「ベイフロー」（109億9800万円）も97.4と前期の104.7から一転して落ち込む一方、「ニコアンド」（5.4％増の378億5000万円）や「スタディオクリップ」（4.5％増の239億1800万円）、「ローリーズファーム」（6.6％増の242億4900万円）は堅調で、大きく伸ばしたのは「レプシィム」（15.7％増の172億3000万円）と雑貨中心のラコレ（11.8％増の141億6500万円）に限られる。当期伸び悩んだブランドも好調に伸ばした時期もあり、成長が継続しないことが課題となっている。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>どうして成長が継続しないのか、「ジーナシス」や「ハレ」など尖った感性のブランドは立地も顧客も選んでニッチの域を出られないし、「ニコアンド」や「スタディオクリップ」などナチュラルなライフスタイルブランドもアパレル中心のMDは限界があり、拡大には雑貨もガジェットではなく「無印良品」のような生活必需品の地道な開発が必要だ。ファストな単品MDの「ローリーズファーム」、キャリアのワードローブMDの「レプシィム」は開発素材軸の縦売りアイテムを拡充していけばまだ伸ばせるが、サプライヤーとの取り組みと在庫運用の手法を切り替える必要がある。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>最大規模の「グローバルワーク」が500億円台で壁に当たっているのはカジュアルウエアもビジカジウエアも継続する面のMDを組めずに顔（MD編成）が見えず、中途半端な幅（サイズ展開）と奥行き（在庫の積み込み）で顧客の間口を広げ切れず（インクルーシブに徹し切れず）、メジャーポジションを取れないでいるからだ。500億円を600億円にする発想では壁は越えられず、一気に1000億円の大台を狙う大仕掛けが必要だと思う。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>試行錯誤が続いてマイナーなポジションを出られなかった「ジーユー」に柳井正氏が号令を発した09年3月の990円ジーンズMD（ウィメンズ9型108SKU、メンズ3型36SKU）くらいのインパクトが問われるのではないか。当時、200億円ほどだったジーユーが12年8月期には500億円、15年8月期には1425億円に到達し、25年8月期では3307億円を売り上げて305億円（売上比9.2％）の営業利益を稼ぐまで育っている。今や、たった1ブランドでアンドエスティHDの連結売上を上回り、営業利益は倍近い。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>どのブランドも、マーケットポジションもMDもサプライも大きく変えることなくテクニカルな努力で伸ばそうとしてきたから、相応の成果しか得られていない。限られた開発人材が多数のブランドに分散して商品開発が中途半端になっていることも、その要因と指摘される。OEM／ODM商社機能を内部に取り込んだバイヤーMDの域を出ないブランドがほとんどで、開発チームが素材から面のMDストーリーを構築するメジャーな開発型SPAとは距離がある。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>多くのブランドにリソースを分散するのではなく、メジャー（売上規模1000億円超）に育てるブランドにリソースを集中するべきで、2030年2月期の連結売上高4000億円を達成するには突破口となる「革命」が必要だ。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>
<h3>■and STのプラットフォーム化とOMOシフトの課題</h3>
<p>&nbsp;</p>
<p>ブランドリテール事業が伸び悩む中、目論見通りに成長しているのが外部商材も取り込んでプラットフォーム化するECモールのand ST事業で、26年2月期はグループ商材の売上高が417億円と6.6％増でも外部商材は前期から4倍に拡大して45億円に達している。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>アパレルではジュンやユナイテッドアローズ、バロックジャパンリミテッドの一部ブランド、ランジェリーではワコールの各ブランドやトリンプ、化粧品・美容器具ではファンケルやマリークアント、ヤーマンなど多数、靴ではニューバランスや卑弥呼、オリエンタルトラフィック、バッグではマンハッタンポーテージやACE、雑貨ではアフタヌーンティーリビングやキャスキッドソン、食品ではディーン＆デルーカなど、すでに結構なバラエティーに広がっている。カテゴリーは多様でも自社ブランド顧客との親和性が考慮されて違和感はないから、店受け取りが広がれば店舗への集客効果も期待される。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　and STの利用ガイドを見る限り、外部商材はオンワード・クローゼットのようなドロップ・シッピング※2.（特定商取引法に基づく販売元も宅配業者もそれぞれに異なる）ではなく、特定商取引法に基づく販売元が株式会社アンドエスティに一本化され、宅配業者もヤマト運輸と日本郵便が指定されているから、在庫を預かってFC※3.から出荷するフルフィルシッピングと思われる。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>店受け取りも可能で、自社商品は店在庫検索による店舗在庫引き当ても行われているが（ひとつのSKUに限られる「Quick Pick」）、複数のSKU（「Multi Pick」）になると店舗在庫引き当てはできずFCから出荷されるようだ。注目すべきは「Quick Pick」も「Multi Pick」もオンライン決済の「ショッパー渡し」という点で、FC出荷品も裸包装で店舗物流に混載されていると推察する。他社では店受け取りでも宅配包装（段ボール入り）で店舗物流しているケースもあり、物流費も作業工数も格段の差がある。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>店舗在庫引き当てや裸包装の店舗物流混載は工夫されていても、オンライン販売の大半はFC在庫引き当てで店舗在庫と分断されているから、OMOのスタート点にも立っていない。OMOの本質は顧客と在庫の一元化によるローカルマーケティングで、FCを廃し店舗在庫に一本化してリージョナルロジスティクスに徹すれば店舗と在庫の適正配置が実現し、顧客利便も販売効率も在庫効率も飛躍的に向上し、物流のコストもタイムラグも画期的に圧縮される。「ザラ」などを運営するインディテックスの近年の飛躍的な効率化と高収益化を見れば、その効果は明らかだ。</p>
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<p>遠藤洋一社長の時か、松下正社長の時か、ブランドの枠を超えてエリア単位のマネジメント（主にデベロッパー対応や採用、シフト運用）を志向したアンドエスティだが、物流センター（DC）の自動化ではセントラルロジスティクスに流れ（福岡物流センターの廃止）、倉庫運営システムも店舗物流とEC物流が交錯して（常総物流センターの自動化）、全体最適を見通すロジスティクス戦略を明らかに欠いている。</p>
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<p>OMO戦略はロジスティクス戦略と表裏一体であり、and ST事業とブランドリテール事業を一体にローカルOMOマーケティングを追求していく戦略構想が不可欠だ。福田泰生新社長にはブランドリテール事業の「革命」と合わせて期待したい。</p>
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<p>※2.ドロップ・シッピング…在庫を抱えず受注してサプライヤーが顧客に直送するEC事業形態</p>
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<p>※3.DCとTCとFC…入荷した商品を棚入れしてからピッキングして出荷する保管型のDC（Distribution Center）に対し、棚入れせず仕分けして送り出す通過型の物流施設がTC（Transfer Center）で、FC（Fulfillment Center）は通販の出荷用DC</p>
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		<title>ダイヤモンド・チェーンストアオンライン『好調継続のしまむらと全米最高利益率のバックル、両社に見られる共通点』(2026年04月10日付)</title>
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		<pubDate>Fri, 10 Apr 2026 07:35:50 +0000</pubDate>
		<dc:creator><![CDATA[kojima_admin]]></dc:creator>
				<category><![CDATA[論文]]></category>

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				<content:encoded><![CDATA[<p>&nbsp;</p>
<p>　しまむらは5期連続の増収増益、最高益更新で27年2月期も上方修正して6期連続の増収増益、最高益更新を見込むという勢いだが、何かと比較したくなるのが米国のジーンズカジュアルチェーン　The Buckle（バックル）だ。</p>
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<h3>■好調継続のしまむらは「改善」の域を超えて飛躍するか</h3>
<p>　しまむらの26年2月期は売上高が前期比5.2％増の7000億3400万円、営業利益は同3.8％増の614億8300万円、当期純利益は同6.1％増の444億6000万円と増収増益で、中期計画最終年度となる27年2月期の売上高を7291億円（従来目標＋41億円）、営業利益を668億円（従来目標＋3億円）と上方修正している。営業利益率は8.8％と同0.1ポイント低下したが純利益率は6.4％と同0.1ポイント上昇した。</p>
<p>棚資産回転日数は期初期末平均在庫で見ると47.1日と前期から1.0日短縮しており、前期末から在庫が7.2％積み増されても在庫効率は落ちていない。連結売上高の74.2％を占めるしまむら事業の値下げ率は6.2％と前期から0.2ポイント、22年2月期からは1.1ポイントも改善されており、期中の店間移動による適正再配置など運用精度が高まっているようだ。買掛債務回転日数は20.6日と22年2月期の27.0日からは6.4日短縮されており、速い支払いが商品調達の機動性を高めていると推察される。</p>
<p>粗利益率は34.8％と前期から0.1ポイントの上昇だが、JB※の拡大や単価上昇で年々、少しずつ上昇して過去最高の水準に達しており、19年2月期からは3.0ポイントも上昇している。在庫回転も期初期末平均法で7.75回転と前期から0.14ポイント、20年2月期からは0.86ポイント上昇している。</p>
<p>交叉比率は粗利益率34.8％×在庫7.75回転＝269.9と前期から4.2ポイント、22年2月期から14.5ポイント上昇しており、最悪期だった20年2月期（223.9）からは46ポイントも上向いた。調達が機動化され在庫管理精度も高まっているが、縦売り※MDのサプライヤー連携や店舗間の機動的在庫運用は緒についたばかりだ。</p>
<p>過疎化と高齢化が進むローカルやエクサバン※から人口が集中するアーバンへ「都心型店舗」も拡大しており、好立地店舗では従来の枠を超えて客数や販売効率に見合ったフェイシング量を積み上げている。JBや機能訴求商品など重点販売する商品では、自社倉庫に在庫を抱えることなく（そもそもTC※なので在庫を棚入れ出来ない）縦売りを可能にするVMI※的取り組みを広げていくのではないか。</p>
<p>ECは「しまむらパーク」へ全ブランド一本化してモールサイト化したクロス効果や店受け取り利便で前期から52％も伸びて196億円に達したが全社売上高の3％にも満たず（2.84％）、国内ユニクロの1524億円（EC比率14.85%）とは格差が大きい。とはいえ、84％程度とされる店舗受け取り比率の高さはしまむら独自のリージョナル自社物流体制※と相まって、将来の店舗在庫引き当てOMOマーケティング※へのポテンシャルが期待される。EC比率が二桁に乗れば店舗と在庫の適正再配置が可能になり、ZARAのインディテックスのように飛躍的な高効率化と高収益化が実現するのではないか。しまむらは「改善」の域を超えて飛躍するのか、高橋維一郎社長の舵取りが注目される。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>※JB（Joint Development Brand）とPB（Private Brand）・・・小売業が仕様書発注して一括調達するPBに対してJBはサプライヤーが企画と補給を分担する協業型のPBで、最低引き取り保証を付けたVMIで自動補給されることが多い。</p>
<p>※縦売りと横売り・・・同一品を備蓄補給して大量継続販売するのが「縦売り」、バラエテイを揃えて少量を蒔き切りで売り切っていくのが「横売り」。</p>
<p>※サバーバンとアーバンとエクサバン・・・・都市圏郊外の新興住宅地域を指す「サバーバン（suburban）」に対して都市圏内の旧住宅地域を指すのが「アーバン（urban）」で、前者の典型が住居専用の一戸建て住宅地であるのに対して後者は商業地域や工業地域が近接してマンションやアパートと一戸建てが混在する再開発期の住宅地。都市圏の拡大で田畑や工場、倉庫などが混在する周辺都市近郊まで広がった住宅地が「エクサバン（exurban）」。</p>
<p>※DCとTCとFC・・・入荷した商品を棚入れしてからピッキングして出荷する保管型のDC（Distribution Center）に対し、棚入れせず仕分けして送り出す通過型の物流施設がTC（Transfer Center）で、FC（Fulfillment Center）は通販の出荷用DC。</p>
<p>※VMI（Vendor Managed Inventory）・・・あらかじめ定めた陳列棚割と販売計画に基づいてベンダーに在庫管理と補給・補充生産を委任する取引形態。同一商品を継続補給する「台帳型サプライ」が一般的だが、アクセサリーやベルトなど服飾雑貨では類似アイテムをリレー供給する「トコロテン型サプライ」も多い。</p>
<p>※リージョナルロジスティクス…中央のDC（Distribution Center）やFC（Fulfillment Center）から全国の店舗や顧客に物流（セントラルロジスティクス）するのではなく、生産地から各リージョナルのTC（Transfer Center）やDCに直送し、リージョナル内の各店舗や顧客に物流するロジスティクス手法で、ルート便によるローカルテザリングや地域の宅配業者による即日配送で在庫効率と顧客利便を高め物流費を抑制する</p>
<p>※OMOマーケティング…地域ごとに店舗利用とオンライン利用の顧客分布・交錯を掴んで、最適な店舗配置と在庫配置、物流手法と顧客アプローチを仕組むマーケティングで、販売効率や在庫効率、物流効率を飛躍的に改善できる</p>
<p>&nbsp;</p>
<h3>■全米アパレルチェーン最高利益率に返り咲いたバックル</h3>
<p>　バックルと言っても知らない方もあるかも知れないが、「米国のライトオン」とでも言うべきジーンズカジュアルチェーンで、メトロジーニングのギャップとカントリージーニングで棲み分けている。</p>
<p>カントリージーニングとは昔ながらの土臭いワークウェアで、ウェスタンブーツを履いてカーボーイハットを被って大排気量のピックアップトラックに乗るカントリースタイルだ。メトロジーニングはアスレジャーに繋がる都市型のライフスタイルウェアで、スニーカーを履いてテスラやプリウスに乗るメトロスタイルだ。</p>
<p>そんな西部劇紛いのカントリージーニングなんて余程の田舎でしか見ないマイナーと思われるかも知れないが、バックルは全米42州に440店を展開して26年1月期で13億ドル近く（12億9784万ドル）を売り上げているし、ウェスタンブーツとワークウェアのブートバーン（BOOTBRN）も25年3月期で49州に465店舗を展開して19億1110万ドルを売り上げている。どちらも高収益で、バックルの営業利益率は20.14%と、前期から低下したルルレモンの19.91%を上回って全米アパレルチェーン首位に返り咲き、ブートバーンも12.52%と高い。</p>
<p>米国のカントリージーニングは決してマイナーではなく、メトロジーニングと対等に張り合っている。トヨタや日産だって米国向けには大排気量のピックアップトラックを現地生産しているほどで、トヨタの「タンドラ」は逆輸入されることになった。</p>
<p>　メトロジーニングと張り合っていると言っても、ニーズはカントリーエリアに偏っている。米国に行ってもメトロエリアのRSCでバックルを見かけることはまず無く、ローカルのタウンセンターやストリップモール中心に展開している。ブートバーンもローカルのロードサイドやストリップモールが主戦場だ。</p>
<p>　そのバックルをわざわざしまむらの引き合いに出すのはサプライヤーとの取り組み方が極めて「しまむら的」だからだ。</p>
<p>&nbsp;</p>
<h3>■ジーンズのJBを競わせるバックル</h3>
<p>　バックルはギャップのようなSPAではなくブランド商品とオリジナル商品を組み合わすセレクトSPAで、セレクトブランドとオリジナルブランドのバランスは半々ほどだ。ジーンズはオリジナル主体、トップスやアウターはセレクト主体という分担が基本で、コーナーごとに壁面にPBジーンズを棚割り陳列し、その前や横にセレクトのトップスやアウターとPBジーンズをコーディネイト陳列している。</p>
<p>　このPBはサプライヤーと取り組むJBで、多数の（店舗で見る限りは10前後）サプライヤーを競わせている。競わせているのは企画と生産スペックだけでなく、棚割り陳列している以上は補給も問われると推察されるから、PBと言ってもVMI的な要素もあるJBの性格と思われる。</p>
<p>　米国というとロット発注の完全買取というイメージがあって、サプライヤーに期中の補給を期待するのは無理と思われがちだが、必ずしもそうではないようだ。契約上では「買取」でも売上消化が厳しければプロモーション（値引き分担）が求められるし、支払いが遅延することもあるから、サプライヤーは危ない取引にはファクタリングを使う。今時は我が国アパレル業界の方が取引ルールがフェアかも知れない。</p>
<p>最終的な引き取りと支払いが確実であれば補給在庫を抱えるサプライヤーもあるようで（だからオフプライスストアが成り立つ）、多少なりとも補給を分担するVMIが成り立っている。バックルの場合、在庫回転が速く（年度で多少は振れるが90日前後）、支払いも32〜33日と速く、高収益企業で取りっぱぐれが無いから、VMIを取り組むサプライヤーも少なくないと思われる。</p>
<p>そんなPBがしまむらのJBと似ているから引き合いに出したが、バックルの高収益の仕組みには量販店衣料部門やアパレルチェーンが学ぶべきことが少なくない。</p>
<p>&nbsp;</p>
<h3>■プロフィットセンターはエリアマネージャーという分権</h3>
<p>　しまむらはリージョナル内店舗間の自動的なテザリング（在庫融通の店間移動）で欠品を防止し消化を促進して値引率を6.2%（26年2月期のしまむら事業）に抑制しているが、客数相応にフェイシング量を積む「都心型店舗」が増えてくればSKU単位の自動振り替えだけで無く、店舗特性を活かした機動的な在庫集約なども課題になって来る。本部コントローラー（DB.※）がアルゴリズム設定によるEOSで動かして来た自動振り替えに加え、エリアマネージャーやリージョナルコントローラーが意図的に仕掛ける店間移動が問われることになるが、それが卓越しているのがバックルなのだ。</p>
<p>　半分がセレクト仕入れのバックルの粗利益率が59.0%（26年1月期の概算※）と元祖SPAたるギャップの52.9%（26年1月期の確定値）より6ポイントも高いのは値引き率に大差があるからで、エリア分権運用のバックルの方が本部DB.集権のギャップより値引き率が格段に小さいと推察される。</p>
<p>　ギャップでは配分・補給も店間移動も値引きも本部DB.に集権しているから、品番単位、SKU単位のアルゴリズムやAIの効果は期待できるが、店舗毎のアナログな品揃えバランスや店舗特性を活用した在庫の集約移動などは不得意だ。対してバックルはDCの補給在庫があるうちは本部DB.主導でも、補給在庫が切れればエリアに在庫運用権が移る。</p>
<p>　エリアマネージャーが店舗特性を掴んで、売り切りサイクルの品番を特定店舗に集約して欠品を回避し、販売消化を進めることで値引きを抑制している。エリア内で集約・売り切りが難しい場合はリージョナルマネージャーが調整してリージョナル内で移動する。ゆえにバックルでは全店共通の値引き販売が行われず、値引きロスが低く抑えられるのだ。店舗毎の損益管理とせず、エリアを経営単位と位置付けてエリアマネージャーの経営能力、運営能力を引き出すガバナンスだと推察される。</p>
<p>　これまでミニマムなフェイシング量で低コスト運営してきたしまむらも、「都心型店舗」が増えるにつれ店舗間のフェイシング量（後方ストックを持たないしまむらではイコール在庫量）と販売効率の格差が開いていくから、エリアの店舗間で機動的に在庫を移動・集約して値引きロスを最小化し消化を最大化する運用力が問われるようになる。しまむらにはリージョナルTCを軸としたルート便体制があるからフィジカルな運用は効率的にできるが、何を何時、何処に移動・集約するかは本部の営業政策とエリアマネージャーの営業センスが問われる。習熟にはPDCAが不可欠で、経験を積んでスキルを高めて行けば良い。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>※DB.（Distributor）・・・一般には在庫を所有して配送する卸業者（所有しない卸御者はBroker）を意味するが、チェーンストア運営では調達した商品を多数の店舗に最適配分・補給・移動する在庫運用責任者を指し、値入れの減耗率をマーチャンダイザーやバイヤーと連帯して評価される。</p>
<p>※粗利益率・・・米国のアパレルチェーンは原価にオキュパンシイコスト（賃料や減価償却費）を含むケースが多く、その分、粗利益率が低く開示される。そのため、原価からオキュパンシイコストを差し引いて販管費に移し計算し直す必要があるが、オキュパンシィコストはSEC10-Kファイルで開示されるため、開示の遅いバックルは過去2年間の平均率で概算した。</p>
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		<title> WWD　小島健輔リポート『殻を破った「しまむら」　安全運転から飛躍的成長へ』(2026年04月07日付)</title>
		<link>http://www.fcn.co.jp/thesis/wwdj20260407/</link>
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		<pubDate>Tue, 07 Apr 2026 07:15:54 +0000</pubDate>
		<dc:creator><![CDATA[kojima_admin]]></dc:creator>
				<category><![CDATA[論文]]></category>

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		<description><![CDATA[しまむらの2026年2月期は5期連続の増収増益、最高益更新で27年2月期も6期連続の増収増益、最高益更新が見込まれるが、業績以上に注目されるのが商品政策、営業政策のみならず財務政策まで長年の「殻」を破る変貌ぶりだ。しまむ [&#8230;]]]></description>
				<content:encoded><![CDATA[<p>しまむらの2026年2月期は5期連続の増収増益、最高益更新で27年2月期も6期連続の増収増益、最高益更新が見込まれるが、業績以上に注目されるのが商品政策、営業政策のみならず財務政策まで長年の「殻」を破る変貌ぶりだ。しまむらは長年に渡る安全運転の殻を破り、意表を付く飛躍に転じつつある。</p>
<p>&nbsp;</p>
<h3>■「飛躍」への兆しが見えた26年2月期連結業績</h3>
<p>&nbsp;</p>
<p>しまむらの26年2月期は売上高が前期から5.2％増加して7000億円の大台に乗り（7000億3400万円）、営業利益は同3.8％増加して614億8300万円、当期純利益は同6.1％増加して444億6000万円と増収増益で、営業利益率は8.8％と同0.1ポイント低下したが純利益率は6.4％と同0.1ポイント上昇した。この結果に伴い、中期計画最終年度となる27年2月期の売上高を7291億円（従来目標＋41億円、前期比＋4.7％）、営業利益を668億円（従来目標＋3億円、前期比＋8.7％）とわずかながら上方修正している。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>営業的には前期からの「改善」でも資本政策は一変した。期中に456億8900万円の自社株買取りを実施して153億900万円（配当性向35.4％、純資産配当率3.2％）を配当し、444億6000万円も純利益があっても純資産は4885億4500万円と前期から124億3100万円減少した。結果、ROEは9.0％と前期から0.4ポイント、ROAは7.9％と同0.3ポイントアップしている。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>自己資本を5000億円（25年2月期末で5009億7600万円）も貯め込む安全運転が株主から資本効率の低さを指摘され、ようやく資本効率と株主還元を重視するROE経営へと転じ始めたしまむらだが、早くもROEは目標値の9.0％に到達している。とは言ってもアシックスの39.1％、HUMAN MADE（ヒューマンメイド）の32.8％、「ユニクロ」を運営するファーストリテイリングの20.2％などに比べればROEの目標値が低すぎるから、一段の改革が求められよう。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p><a href="http://www.fcn.co.jp/wp-content/uploads/2015/01/0e75164afa302a96db5c19bd8fefbd8f.jpg"><img class="aligncenter size-large wp-image-8522" src="http://www.fcn.co.jp/wp-content/uploads/2015/01/0e75164afa302a96db5c19bd8fefbd8f-1024x643.jpg" alt="vg" width="1024" height="643" /></a><a href="http://www.fcn.co.jp/wp-content/uploads/2015/01/0e75164afa302a96db5c19bd8fefbd8f.jpg"><br /></a></p>
<p>商品財務では売掛債権回転日数が7.8日と前期から0.2日、22年2月期からは2.5日延びており、しまむらが言う「都心型店舗」の拡大によるテナント店舗比率の上昇を推察させる。ユニクロはテナント店でも売上金を直接収納しているが、しまむらのテナント店では売上金をデベロッパーに預託するケースがあるのだろうか。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>棚資産回転日数は48.8日と前期から0.9日延びたが期初期末平均在庫で見ると47.1日と逆に1.0日短縮しており、前期末から在庫が7.2％積み増されても在庫効率は落ちておらず、期中の店間移動による適正再配置など運用精度が高まっていると推察される。ちなみに連結売上高の74.2％を占めるしまむら事業の値下げ率は6.2％と前期から0.2ポイント、22年2月期からは1.1ポイントも改善されている。買掛債務回転日数は20.6日と前期から0.3日延びたが、22年2月期の27.0日からは6.4日短縮されており、速い支払いが商品調達の機動性を高めていると推察される。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>結果、CCC（Cash Conversion Cycle）は36.0日と前期から0.8日延び、純資産対運転資金率は14.1％と前期から1.3ポイント、22年2月期からは3.0ポイント上昇したが、欧米のROE経営アパレルの多くが株主還元で純資産を抑制し60％から100％前後のケースが多いことを思えば（国内でもASICSは高収益でもROEを追求して運転資金率が100％を超えている）、経営効率というより過剰資本が現れている。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>粗利益率は34.8％と前期から0.1ポイントの上昇だが、JB（サプライヤー企画の独占取り組み擬似PB※1）の拡大や単価上昇で年々、少しずつ上昇して過去最高の水準に達しており、最悪だった19年2月期からは3.0ポイントも上昇している。在庫回転も期初期末平均法で7.75回転と前期から0.14ポイント、最悪だった20年2月期からは0.86ポイント上昇しているが、10回転を超えていた2000年代はともかく18年2月期までは8.0回転を超えていたことを思えば、まだまだ改善余地がある。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>交叉比率は粗利益率34.8％×在庫7.75回転＝269.9と前期から4.2ポイント、22年2月期からは14.5ポイント上昇しており、最悪期だった20年2月期（223.9）からは46ポイントも上向いたが、リーマン前07年2月期の384の7掛けにも届かないから改善余地が大きい。調達が機動化され在庫管理精度も高まっているが、縦売り※2.MDのサプライ連携や店舗間の機動的在庫運用は緒についたばかりで、この分野も改善余地が大きい。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>モールサイト「しまむらパーク」への全ブランド一本化や店受け取り利便で前期から52％も伸びて196億円に達したECも全社売上高の3％にも満たず（2.84％）、サプライヤー在庫商品もともかく自社在庫商品の店舗在庫引き当てが行われているようにも見えないが、84％程度とされる店舗受け取り比率の高さとリージョナル自社物流体制※3.はOMOマーケティング※4.の大きな武器になる。「ザラ」を運営するインディテックスのようにECを店舗在庫引き当てに一本化して店舗網と在庫の適正再配置を徹底するなら、運営効率も経営効率も次元を超えて化ける可能性がある。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>長年、自社の運営手法や経営手法に固執してきたしまむらだが、高橋維一郎社長になって外部の運営手法や経営手法を柔軟に取り入れる姿勢も見られるから、「飛躍」が現実になるかもしれない。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>※1.JB（Joint Development Brand）とPB（Private Brand）…小売業が仕様書発注して一括調達するPBに対してJBはサプライヤーが企画と補給を分担する協業型のPBで、最低引き取り保証を付けたVMIで自動補給されることが多い</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>※2.縦売りと横売り…同一品を備蓄補給して大量継続販売するのが「縦売り」、バラエテイを揃えて少量を蒔き切りで売り切っていくのが「横売り」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>※3.リージョナルロジスティクス…中央のDC（Distribution Center）やFC（Fulfillment Center）から全国の店舗や顧客に物流（セントラルロジスティクス）するのではなく、生産地から各リージョナルのTC（Transfer Center）やDCに直送し、リージョナル内の各店舗や顧客に物流するロジスティクス手法で、ルート便によるローカルテザリングや地域の宅配業者による即日配送で在庫効率と顧客利便を高め物流費を抑制する</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>※4.OMOマーケティング…地域ごとに店舗利用とオンライン利用の顧客分布・交錯を掴んで、最適な店舗配置と在庫配置、物流手法と顧客アプローチを仕組むマーケティングで、販売効率や在庫効率、物流効率を飛躍的に改善できる</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>
<h3>■着々と運営効率が高まるしまむらの課題<a href="http://www.fcn.co.jp/wp-content/uploads/2026/07/1fb6cb1cf3d4479f05bba924c758b487.jpg"><br /></a></h3>
<p><a href="http://www.fcn.co.jp/wp-content/uploads/2026/07/1fb6cb1cf3d4479f05bba924c758b487.jpg"><img class="aligncenter size-large wp-image-8584" src="http://www.fcn.co.jp/wp-content/uploads/2026/07/1fb6cb1cf3d4479f05bba924c758b487-1024x486.jpg" alt="vg" width="1024" height="486" /></a><a href="http://www.fcn.co.jp/wp-content/uploads/2026/04/d3141fcb89ebe18801b0a8915bdc17cd.jpg"><br /></a></p>
<p>&nbsp;</p>
<p>台湾で展開する「思夢楽」を除くしまむら単体（国内事業全体に相当）の売上高は26年2月期で前期から5.0%増の6897億200万円と、連結売上の98.5％を占める。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>平均店舗面積は1012.8平方メートルと前期から1.2平方メートル、22年2月期からも2.3平方メートルしか拡大していないが、平均店舗売上高は3億1067.7万円と前期から3.9％、22年2月期からは16.0％も増えている。平米当たり売上高が22年2月期の26.5万円から30.7万円と、15.85％上昇したからだ。これは付加価値型のJBやPB、機能商品などの拡充による一品単価の上昇が反映したもので、この間に「ファッションセンタ―しまむら」事業の商品単価は16.13％、客単価は10.26％上昇しているが、同期間に相当する4期間に国内ユニクロの客単価は20.9％も上昇している。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>しまむらの運営はパートさんが支えているのはよく知られているが、正社員（8時間）換算したパート比率は81.8％と、4期間ほとんど変化していない。パートを正社員換算した全従業員数は1万5976人で、前期から623人、22年2月期からは1277人増えている。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>一人当たり売上高は4317.1万円と国内ユニクロの4260.6万円（25年8月期）を上回るが、一人当たり粗利益は1498.9万円（粗利益率34.7％）と国内ユニクロの2160.1万円（粗利益率50.7％）の7掛け弱にとどまる。一人当たり売上高は前期から1.0％、22年2月期から9.8％、一人当たり粗利益は前期から1.4％、22年2月期から10.5％しか伸びておらず、国内ユニクロがこの4期間に一人当たり売上高を46.1％、一人当たり粗利益を55.3％も伸ばしたのと比べれば勢いの差は否めない。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>国内ユニクロがこの4期間に平均店舗面積を1001平方メートルから1066平方メートルに、平均店舗売上高を8億8594万円から10億9240万円に23.3％も拡大する一方、セルフレジなどの店舗DXを駆使して平均店舗運営人員を30.70人から25.64人に16.5％も圧縮したのに対し、しまむらは平均店舗面積を1010.5平方メートルから1012.8平方メートルに、平均店舗売上高を2億6784万円から3億1068万円に16.0％拡大する一方、RFIDも導入することなく店舗DXが進まず平均店舗運営人員を6.81人（正社員1.25人＋パート5.56人）から7.19人（正社員1.31人＋パート5.88人）に5.6％も増やしている。この差が人時効率、ひいては賃上げの格差につながるとしたら、しまむらはまだ「改善」の域を出ていないことになる。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>一品単価が大きく上昇しない限り店舗販売の人時効率には限界があるが、システムが売り上げを作るオンライン販売の人時効率は1ケタ高い。ECでも煩雑なサイト運用には相応の人手がかかるが売上規模の拡大とともに加速度的に人時効率が高まり、数百億円の売り上げ規模になると一人当たり売上高は数億〜数十億円にもなる（出荷倉庫運営人員を除く）。国内ユニクロのEC売上高は25年8月期で1524億円（EC比率14.85％）に達するが、しまむらのEC売上高は26年2月期で196億円（EC比率2.84％）に過ぎない。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>人時効率や給与水準で国内ユニクロに張るためにも、しまむらはECを国内ユニクロ並み（EC比率15％前後）に拡充するべきで、さすれば自前のリージョナル物流体制を軸としたローカルOMO利便が武器となって地域顧客の囲い込みが進み、店舗網と在庫の適正再配置によって飛躍的な高収益化が実現するはずだが、しまむらの経営陣にはそのロジックが見えているだろうか。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>
<h3>■「飛躍」への4つの施策</h3>
<p><a href="http://www.fcn.co.jp/wp-content/uploads/2026/04/d3141fcb89ebe18801b0a8915bdc17cd.jpg"><img class="aligncenter size-large wp-image-8589" src="http://www.fcn.co.jp/wp-content/uploads/2026/04/d3141fcb89ebe18801b0a8915bdc17cd-679x1024.jpg" alt="しまむらグループ業績推移 202603311759" width="679" height="1024" /></a></p>
<p>中興の祖である藤原秀次郎氏が1990年代初期に確立したしまむらの事業モデルは今日も尚、突出した競争力がある秀でたものだ。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>（1）実需に引き付けた機動的な仕入れと速い支払いで在庫と売り上げを極端に平準化する売り切り（横売り）消化型の高回転マーチャンダイジング</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>（2）徹底した標準化とマニュアル化、後方在庫を持たず作業負担の軽い心太型ハンガー陳列（作業負担はユニクロ型棚割り陳列の4分の1程度と推察）、無理のない勤務シフトなど、近隣主婦主体パート活用による低コスト店舗運営</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>(3)ローカルや都市圏郊外の生活道路沿い定期借地に標準化された自社開発店舗を建てるローコスト出店</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>(4)海外生産工場から国内倉庫に棚入れせず自動仕分けで店舗に商品を供給し、自社ルート便でテザリング（店舗間在庫融通）して消化するリージョナルTC※5.ロジスティクス</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>この4つが基軸だが、（1)〜3)は部分的な変更が必要でも（4)はOMOマーケティングへ繋がる不動の骨格だと思う。以下、変えるべきことと変えてはいけないことを列記しておきたい。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>（A）都市部出店に伴う店舗MDと店舗運営の部分的変更</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>少子高齢化と過疎化が進行するローカルや都市周辺部（エクサバン※6.）に囚われていれば客数と売り上げの減少は必定だから、都市部（アーバンや郊外ターミナル）へ店舗網を広げる必要があるが、客数が多い分、賃料（テナント出店が大半になる）も賃金も高くなるから、在庫と売り上げを極端に平準化する売り切り消化型マーチャンダイジングも近隣主婦主体パートの無理のない勤務シフト（9時間営業）も見直さざるを得ない。すでに布陣されている「都市型店舗※7.」では同一品番でも客数相応にフェイシング量（店舗ストックを持たないしまむらではイコール在庫量）が積まれているし、夜間の営業時間をカバーすべく主婦パートでない（学生やフリーター？）スタッフも配置されているようだ。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>（B）運営コストに見合う販売効率を稼ぐ「縦売り商品」の拡充</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>客数の限られる近隣生活商圏ではミニマムなフェイシング量で売り切っていく売り切り（横売り）消化型マーチャンダイジングが適していても、客数が格段に多く賃料や人件費も嵩む「都市型店舗」では在庫を継続補給して売り上げを積み増す縦売りマーチャンダイジングが不可欠だ。同一の商業施設に「ファッションセンターしまむら」と「ユニクロ」が出店しているケースでは単価の差もあるだろうが、私が知る限り販売効率は倍ほどの差があるから、客数の多い「都市型店舗」では縦売りマーチャンダイジングが優位であることは明らかだ。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>とはいっても全てを縦売り商品にしては商品財務が破綻してしまうから、これまでの売り切り消化型マーチャンダイジングを基本としながら、「都市型店舗」で縦売りが期待できる中核単品や機能商品、人気商品を慎重に広げていくことになる。そこで課題となるのが陳列作業量の増大と補給方法だ。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>縦売り商品でも積み上げる畳み陳列はキャンペーン的に訴求するニット／カット単品に限定して作業負担を極力軽減し、リージョナルTC体制のままサプライヤー側に補給在庫を積むVMI※8.を組むのが合理的と思われる。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>（C）ECのマーケットプレイス拡充と店舗在庫引き当て</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>26年3月10日からしまむらのECは「しまむらパーク」に一本化されてモール型になったから、自社の各業態はもちろん、外部商品をそろえるマーケットプレイスも拡充されていく。しまむらECの店受け取り率は84％前後と高いから、各業態の商品やマーケットプレイス商品が増えていけば来店客数は加速度的に増えていく。店舗の客層を政策的に広げていくには外部商品は選択的に拡充されるべきで、店舗従業員の受け渡し作業を考慮すれば衣料品以外は軽量な小型品に限定されるべきだろう。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「ファッションセンターしまむら」の「都市型店舗」を定期的に見ているが、レジカウンター後方の店受け取りEC商品の箱がどんどん増えてあふれそうな店舗もある。「しまむらパーク」の「特定商取引に関する法律に基づく表示」を見る限り、店舗受け取りでも「関東の物流センターから出荷する」と明記されているから東松山物流センター敷地内のEC専用物流センターから出荷されているようで、店舗在庫の引き当ては行われていないようだ。EC向けの自社商品在庫を東松山のEC専用物流センターに棚入れして出荷しているとしたら（FCだとしたら）とんでもなく非効率で、しまむらの「どこにも棚入れして在庫を抱えない」というロジスティクスの理念も逸脱している。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>OMOマーケティングを進めるには地域毎の店舗販売とオンライン販売を一元化して店舗在庫に集約し、オンライン注文には店舗在庫を引き当てて（近隣他店在庫の場合はリージョナル店舗物流で移送し）店舗包装で店渡しすることが不可欠だから、早々に仕組みを変えていく必要がある。オンライン注文品は受け渡し伝票入りの裸包装（ビニール袋入り）で店舗物流のパッキンに混載するが、受け渡し店舗への到着を早めるにはリージョナルTC起点ルート便の巡回頻度も見直すべきかもしれない。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>（D）OMO体制へリージョナルロジスティクスの再構築</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>現在、しまむらは全国を10リージョナルに分けてTC軸で自社ルート便を巡回させて地域店舗に商品を供給し、店間移動で在庫を適正再配置して消化を促進しているが、交通渋滞や運転手の残業時間規制などで10カ所のTCではカバーが難しくなっている。北海道や四国にはTCが無く、南九州のカバーも苦しいなど、いずれ12〜14リージョナルに再編する必要がある。ECを拡大して店舗在庫引き当ての店渡しを軸としたOMOへシフトしていくにはリージョナルロジスティクスの細分化・機動化が不可欠で、その面からも再編が急がれる。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>現在のEC比率は3％にも届かないが200億円に迫っており、モールサイト化で外部商品も拡充していくなら遠からずEC比率は10％、取扱高は1000億円に迫るはずで、EC物流とリージョナル店舗物流の一体化が急がれる。加えて、店舗在庫引き当てのピッキングや店渡し商品の管理と引き渡しなどOMOに関わるマテハン作業も増大するから、店舗運営とシフトの組み方も少なからず変わっていくことになる。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>OMOマーケテイングで地域毎の店舗と在庫の適正再配置が進めば売り上げが大きく伸びて販売効率も上昇し、在庫効率も物流効率も飛躍的に向上して経営効率も異次元な段階へ飛躍していく。売上は国内ユニクロに迫り、営業利益率は2ケタに乗り、在庫回転は10回転を超え、給与水準もROEもファーストリテイリングと競うようになる。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>鈴木誠前社長による着実な「改善」の積み上げの上に高橋維一郎現社長が殻を破って「飛躍」を仕掛けていく。OMOマーケテイングでしまむらは未来へ大きく飛躍していくに違いない。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>※5.DCとTCとFC…入荷した商品を棚入れしてからピッキングして出荷する保管型のDC（Distribution Center）に対し、棚入れせず仕分けして送り出す通過型の物流施設がTC（Transfer Center）で、FC（Fulfillment Center）は通販の出荷用DC</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>※6.サバーバンとアーバンとエクサバン…都市圏郊外の新興住宅地域を指す「サバーバン（suburban）」に対して都市圏内の旧住宅地域を指すのが「アーバン（urban）」で、前者の典型が住居専用の一戸建て住宅地であるのに対して後者は商業地域や工業地域が近接してマンションやアパートと一戸建てが混在する再開発期の住宅地。都市圏の拡大で田畑や工場、倉庫などが混在する周辺都市近郊まで広がった住宅地が「エクサバン（exurban）」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>※7.都市型店舗…「ファッションセンターしまむら」が言う「都心型店舗」とは今のところ都内でも環七の外側のアーバン住宅地の私鉄駅前・駅近立地を指すようで、山手線のターミナル駅やJR・私鉄の郊外ターミナル駅の駅上・駅前・駅近立地とは客数も賃料も一ケタ違うから「都市型店舗」と表現した</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>※8.VMI（Vendor Managed Inventory）…あらかじめ定めた陳列と販売計画に基づいてベンダーに在庫管理と補給・補充生産を委任する取引形態。同一商品を継続補給する「台帳型サプライ」が一般的だが、アクセサリーやベルトなど服飾雑貨では類似アイテムをリレー供給する「トコロテン型サプライ」も多い</p>
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		<title>ダイヤモンド・チェーンストアオンライン『トライアルの弩低価格・拡張性ワンマイルウェア「RIALT」が秘めるポテンシャル』(2026年03月27日付)</title>
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		<pubDate>Fri, 27 Mar 2026 07:13:01 +0000</pubDate>
		<dc:creator><![CDATA[kojima_admin]]></dc:creator>
				<category><![CDATA[論文]]></category>

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		<description><![CDATA[　トライアルは自社のアパレルPB「ROOM &#38; OUT」をSPA業態「RIALT」に発展させ、昨年の11月に西友三軒茶屋店に一号店（売場面積80坪）を開設した。同店は今年になって123坪に拡張され、インクルーシブ [&#8230;]]]></description>
				<content:encoded><![CDATA[<p>　トライアルは自社のアパレルPB「ROOM &amp; OUT」をSPA業態「RIALT」に発展させ、昨年の11月に西友三軒茶屋店に一号店（売場面積80坪）を開設した。同店は今年になって123坪に拡張され、インクルーシブMDのスケール感も見えて来たが、シーズナルなMD展開や商品開発体制は未だ試行錯誤の途上だ。それでも相応のインパクトがあるのはユニクロもしまむらも潜る弩低価格と「拡張性ワンマイルウェア」というコンセプトへの共感と発展性ではないか。</p>
<p>&nbsp;</p>
<h3>■西友三軒茶屋店「RIALT」のビジュアルインパクト</h3>
<p>　昨年11月の開設時には早速、西友三軒茶屋店の「RIALT」を訪れて「三桁価格」とユニクロに張る単品量販陳列のインパクトに注目。意外と言っては失礼だが、価格の割に洗練されたカラーパレットとVMDに「素性の良さ」を直感した。それがトライアルのDNAなのか西友のDNAなのか、このプロジェクトに加わった外部人材（ユニクロやZARA、ユナイテッドアローズなどの出身者）の技量なのかは外部からは分からないが、長年、内外のSPAに関わって来た私の嗅覚が反応したことは間違いない。「RIALT」は立ち上がったばかりの「試作品」段階にしては只者ではない異彩を放っていた。</p>
<p>　まず目に付いたのは店頭の巨大4段テーブルに山積みされたシルキーフリースジャケットの「物量感」と「三桁価格」（税別998円）だが、ナチュラルカラーに絞ってトーンのコントラストを付けたカラーパレットがメンズとウィメンズで無理なく仕分けられていたこと、荒削りながらその色配列が「ZARA」並みに色環配列されていたことだ。ユニクロがほんの一昔前まで野暮なレインボー展開（同一トーンの多色相展開）だったことを思い起こせば、「試作品」段階でこの水準は評価に値する。</p>
<p>　せっかくのカラーパレットがさほど美しくは見えないのは、西友から居抜きの蛍光灯型LEDの4000k（kelvin）面照明によるもので（しまむらも同様）、近年のユニクロやジーユーのように3000kのHID型LEDスポットと組み合わせば格段に映えて見えるはずだ。「RIALT」はまだMD構成さえ試行錯誤段階で店舗環境まで一体のブランディングには遠いが、素性が良いのだからMDを確立するにつれ店舗環境も整備していくべきだろう。</p>
<p>　店頭の巨大テーブルの単品集積陳列だけでなく、アパレル各ユニットの棚割り陳列も下着類などパッケージ商品のフック棚割り陳列も相応に工夫されており、「三桁価格」商品を安っぽく見せないVMDスキルは一見の価値がある。</p>
<p>&nbsp;</p>
<h3>■「ROOM &amp; OUT」から「RIALT」への発展</h3>
<p>　「RIALT」はこれまでトライアルの平場で展開して来た衣料品のプライベートブランド「ROOM &amp; OUT」をストア展開のSPA業態に発展させたもので、「ROOM &amp; OUT」の既存商品だけではバラエティが足りず、現状では中韓の市場商品や国内専門商社のODM商品も加えて構成している。西友三軒茶屋店に続いて西友の大型店に出店していく一方、西友の衣料品平場にも導入し（3月下旬から40店舗）、トライアルのスーパーセンターでも平場展開を継続して調達ロットを稼ぎながらMDを広げていく方針で、多店化とともに「RIALT」専用商品を増やしていくことになる。</p>
<p>『快適な部屋着でそのまま外出できる』という「ROOM &amp; OUT」のワンマイルウェア・コンセプトに『オシャレなアクティブスポーツウェアで外出する』というアスレジャー・コンセプトも加えて機能商品を広げ、都会的なライフスタイルに対応するラインナップを揃えていく方針で、「RIALT」専用商品を20〜30%に広げていく。弩低価格（アウターでも1990円まで）と多サイズ（全アイテム5サイズ）展開で生活商圏のスーパーセンターでも多くの顧客をカバーするインクルーシブ（顧客を選ばない）MDを基本に、西友の大型店など大都市圏の商業施設でも受け入れられるコンテンポラリーな「拡張型ワンマイルウェア」SPAを目指している。</p>
<p>ユニクロの「ライフウェア」というよりファミリーマートの「コンビニエンスウェア」に近い生活圏服に位置付けられるが、シンプルな汎用性のデザインとナチュラルカラー展開、幅広い体型をカバーする5サイズ展開はジャージ中心の素材構成も相まって世代も体型も選ばない。「ワークマンカラーズ」をZARAっぽいナチュラルモードに振ったようなオシャレ感もあるから、MD展開と開発体制を適切に確立していけば、生活圏服SPAマーケットの一角を占めると期待される。</p>
<p>&nbsp;</p>
<h3>■26SSのMD展開を検証する</h3>
<p><a href="http://www.fcn.co.jp/wp-content/uploads/2026/03/a396e5d49ecfcc7fb67d22f852a9b1e0.jpg"><img class="aligncenter size-large wp-image-8603" src="http://www.fcn.co.jp/wp-content/uploads/2026/03/a396e5d49ecfcc7fb67d22f852a9b1e0-895x1024.jpg" alt="vg" width="895" height="1024" /></a></p>
<p><a href="http://www.fcn.co.jp/wp-content/uploads/2026/03/cc8d75e11cfc4014bdfa3ca27553d210.jpg"><img class="aligncenter size-large wp-image-8604" src="http://www.fcn.co.jp/wp-content/uploads/2026/03/cc8d75e11cfc4014bdfa3ca27553d210-841x1024.jpg" alt="vg" width="841" height="1024" /></a></p>
<p>　80坪から123坪に拡大された今春の西友三軒茶屋店「RIALT」はVMD水準は高いものの、トライアル店舗で売られていた前年商品や当用仕入れ商品も少なからず混在して今シーズンのMD編成が見えないため（オンラインサイトも同様）、トライアルから26SSのMD投入計画を提供頂いて当社で季節切り替え／素材別に組み直し、MD展開を検証してみた。全体の構成はメンズ45%、ウィメンズ45%、シューズ6%、雑貨4%とアナウンスされるが、検証はアパレルに限定した。</p>
<p>　1月投入から6月投入までメンズは44型、990SKU、ウィメンズは49型、895SKU。どちらも5サイズ展開だからメンズの方が色展開が多そうだが実は大差なく、Tシャツのモチーフ展開（アニメキャラと刺繍キャラ）の多さがウィメンズよりSKU数が嵩んだ要因だ。価格はアウター（税別1990円、1490円）や機能素材ボトム（税別1990円、1490円、1290円）、ワンピース（税別1990円、1490円）、機能素材トップス（税別1490円、1290円）などを除けば大半が「三桁価格」（税別998円、798円）で、ウィメンズのレギンスパンツ（税別698円）やタンクトップ（税別598円）、メンズの七分袖Tシャツ（税別598円）など目を見張るような目玉価格も設定されている。</p>
<p>ユニクロどころかジーユーもしまむらも潜る弩低価格のインパクトは大きいが、店頭で見る限りはしまむらと大差ない中国素材で、縫製にも破綻は見られなかった。品質感はウイメンズよりメンズの方が一格高く、その分、調達原価率も一回り高いと推察する。</p>
<p>近年のオーバーサイジング好みもあってか、メンズとウィメンズを似たようなテイストで展開するカジュアル業態では私が知る限りメンズ商品購入客の半分前後が女性だから、メンズとウィメンズのMD展開量が半々だと実際の購入客比率は男性25%／女性75%に収斂してしまう。今時は下着や寝衣を除けば「代理購買」は死語に近いから、女性客のメンズ商品購入は当人がマスキュリンミックスして着ているケースが大半と考えられる。</p>
<p>多くのカジュアルチェーンはそんな女性客購買を意識してメンズのMDを組んでおり、女性客購買が取れないメンズ企画は売上が稼げないのが現実だ。「RIALT」のメンズ商品も多くは女性も着れるもので、Sサイズはほぼ女性客向けと推察する。</p>
<p>季節展開はメンズとウィメンズでかなり違う。メンズが春物（1〜2月投入）、夏物（3〜4月投入）、盛夏物（5〜6月投入）と明確なのに対し、ウィメンズは春物（1〜2月投入）と夏物（4〜5月投入）の間に少数ながらオケイジョナルな初夏物（3月投入）が挟まり、盛夏物（5〜6月投入）に続くという切り替えになっている。季節を超えて継続販売するコア企画がNOBIRUNOのストレッチボトムスを除けば見当たらず、季節で切り替わる単品MDに依存するバイヤー型のMD展開という過渡期の性格に見える。</p>
<p>メンズはカジュアルに徹してアクティブ・セットアップのようなビジカジアイテムは無いが（前年はあったようで持ち越し品がオンラインサイトで販売されている）、ウィメンズではアウターやパンツ、ブラウスでビジカジ対応が見られる。それらの投入タイミングは季節のオケイジョンニーズと必ずしも一致しておらず、メンズもウィメンズも季節のMD展開は試行錯誤段階というのが実情のようだ。</p>
<p>素材構成もリードタイムが短く低コストで開発し易いカットソーに偏っており、リードタイムが長く低価格に抑え難いニットはウィメンズのカーデガン1型しか見当たらない。総じてサプライヤーが持ち込む低コスト生産地素材が大半で、開発素材は限られる。</p>
<p>&nbsp;</p>
<h3>■商品開発体制の課題と「RIALT」のポテンシャル</h3>
<p>　26SSのMD展開を見る限り、SPA型の開発素材軸アイテム展開（複数単品やセットアップ）は限られており、季節切り替えのパターンも確立されておらず、ウィメンズではスポット的なサプライヤー企画のODM仕入れも散見される。メンズでは季節MD展開のパターンが見え始めているがウィメンズではまだ試行錯誤段階で、素材メーカーと組んだ開発素材軸アイテムを継続販売する開発型SPAへの体制構築は緒に就いたばかりだ。</p>
<p>　ようやく専門人材が揃い始め、仕入れ型のバイヤー＆ DB.（ディストリビュータ）制からマーチャンダイザー＆ DB.制へ移行しつつある段階で、パターンや生産スペックはサプライヤーに依存している状況だ。開発チームを抱えて自社開発のパターンや生産スペックで完成度を高めていくのはこれからの課題で、先行する大手SPAとは格差を否めない。</p>
<p>　それでもポテンシャルが大きいと感じるのは『快適な部屋着でそのまま外出できる』という拡張性ワンマイルウェアのコンセプトだ。近年はアスレジャーの奔流に乗ってワンマイルどころか繁華街にまでジャージのトラックスーツで出掛ける若者が増えており、トラックスーツを軸に売上を伸ばすZ世代D2Cブランドも目に付く。韓流トレンドで言われる「空港スタイル」の典型で、Y2Kのジューシークチュールの再現でもあるが、TPOレスなアスレジャースタイルとして若者に限らずY世代以上の大人たちにも広がっている。</p>
<p>　ユニクロは「万人のライフウェア」に磨きをかけてディリーカジュアルのグローバルスタンダードまで飛躍したが、「RIALT」の拡張性ワンマイルウェアのコンセプトにも遜色ないポテンシャルがある。ユニクロがフリースブームの反動による落ち込みを契機にサプライヤースペック依存のマーチャンダイザーMDから自社開発スペックによる開発型MDに転じ、四半世紀をかけて「ライフウェア」を極めたように、「RIALT」も季節MD展開を確立して自社開発スペックによる開発型MDへとステップを着実に進めれば、必ずや化けると期待される。</p>
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		<item>
		<title> WWD　小島健輔リポート『インディテックスVS.ファストリ　白熱するグローバルSPAの覇権争い』(2026年03月18日付)</title>
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		<pubDate>Wed, 18 Mar 2026 07:08:01 +0000</pubDate>
		<dc:creator><![CDATA[kojima_admin]]></dc:creator>
				<category><![CDATA[論文]]></category>

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		<description><![CDATA[「ユニクロ（UNIQLO）」を運営するファーストリテイリングの2025年8月期決算、H&#38;Mの25年11月期決算に続いて、「ザラ（ZARA）」を展開するインディテックスの26年1月期決算が開示され、グローバルSPA [&#8230;]]]></description>
				<content:encoded><![CDATA[<p>「ユニクロ（UNIQLO）」を運営するファーストリテイリングの2025年8月期決算、H&amp;Mの25年11月期決算に続いて、「ザラ（ZARA）」を展開するインディテックスの26年1月期決算が開示され、グローバルSPA3強の決算が出そろったが、インディテックスの圧倒的なリードとファーストリテイリングの追い上げの陰でH&amp;Mは勢いがなく、来期は売上高でファーストリテイリングに追い抜かれそうな状況だ。</p>
<p>&nbsp;</p>
<h3>■インディテックスVS.ファーストリテイリング　決算比較</h3>
<p>&nbsp;</p>
<p>インディテックスの26年1月期は売上高が398億6400万ユーロ（期中の平均為替レート172.1円で6兆8606億円）と、25年11月期のH&amp;Mの2282億8500万スウェーデンクローナ（期中の平均為替レート15.6円で3兆5612億円）も25年8月期のファーストリテイリングの3兆4005億円も大きく引き離したが、前期からの伸び率は3.2％とファーストリテイリングの9.6%に及ばなかった。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>H&amp;Mの売上高は前期から2.6％減少してコロナ前19年11月期に対しても98.1％と届かなかったが、インディテックスは20年1月期から40.9％、ファーストリテイリングは19年8月期から48.5％も伸ばしている。この勢いの差では来期はファーストリテイリングに追い抜かれて3位に転落しそうで、H&amp;Mは既に首位争いからは脱落しているから、以下はインディテックスとファーストリテイリングを比較していく。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>インディテックスの粗利益率は58.25％と前期から0.5ポイント上向いた一方、販管費率は38.20％とわずかに低下し、営業利益率は20.06％と0.51ポイント上昇した。コロナ下21年1月期の大底7.4％から早くも23年1月期には16.9％とコロナ前の水準を回復し、25年1月期には19.6％と00年以降の最高水準だった13年1月期の19.5％を超え、26年1月期は20％の大台に乗せた。自ら商品を開発・調達・物流して8業態の5460店舗（内FC店1150店舗）を世界の97の国と地域に展開しながら（ウクライナもベネズエラもレバノンもイスラエルも……）、これほどの運営精度を実現するマネジメントの仕組みは想像の域を超える。</p>
<p><a href="http://www.fcn.co.jp/wp-content/uploads/2015/01/INDITEX-VS-FAST-RETAILING-202603122055.jpg"><img class="aligncenter size-large wp-image-8503" src="http://www.fcn.co.jp/wp-content/uploads/2015/01/INDITEX-VS-FAST-RETAILING-202603122055-1024x1010.jpg" alt="vg" width="1024" height="1010" /></a></p>
<p>&nbsp;</p>
<p>対するファーストリテイリングの粗利益率は53.78％と前期から0.12ポイント低下したが、販管費率が37.57％と0.70ポイント低下し、営業利益率は16.59％と0.45ポイント上昇した。この水準は10年8月期の16.2％を15年ぶりに超えるもので、国内外ともユニクロの運営精度が着実に高まったと受け止めるべきだろう。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>ちなみに国内ユニクロの粗利益率は50.7％と海外ユニクロの55.9％の9掛けで、価格抵抗感の強い国内と海外の価格差を反映していると推察される。お買い得だからユニクロの都心店では外国人観光客が目立つが、国内ユニクロ事業に占める免税売上高は前期の8％から9％に上昇した程度と意外に限定的だ（全国百貨店総額売上高に占める免税売上比率は24年で11.24％、25年で9.99％）。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>販管費の内訳ではインディテックスの人件費率が14.8％と0.20ポイント上昇したのに対し、ファーストリテイリングの人件費率は13.8％と0.29ポイント低下した。矢継ぎ早の賃上げからは意外な感があるが、売上高の9.6％増と店舗運営の省力化が大幅な賃上げを吸収したと推察する。設備費（賃料と減価償却費）は店舗だけでなく物流施設やソフトウェアなども含むが、インディテックスは10.9％（賃料2.7％、減価償却8.2％）と前期から0.07ポイントとわずかながら低下、ファーストリテイリングは10.0％（賃料3.7％、減価償却6.3％）と0.28ポイント低下した。これも売上伸び率の差（3.2％VS.9.6％）に起因すると思われるが、インディテックスの販売効率の頭打ちについては後述する。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>結果、インディテックスの当期利益率は15.60％と0.42ポイント、ROEは30.5％と0.6ポイント、ROAは17.5％と0.6ポイント上昇した。ファーストリテイリングの当期利益率は13.50％と0.82ポイント、ROEは20.2％と0.68ポイント、ROAは11.9％と0.93ポイント上昇したが、未だROEやROAの水準には格差があるのは財務政策の違いもあると思われる。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>インディテックスの一株当たり当期利益は1996ユーロと前期から5.94％、20年1月期からは70.9％上昇したが、ファーストリテイリングの一株当たり当期利益は1411.44円と前期から16.4％、19年8月期からは2.66倍に跳ね上がった。インディテックスが洗練された成熟期に移りつつあるのに対し、ファーストリテイリングは成長期の勢いが復活している。</p>
<p>&nbsp;</p>
<h3>■インディテックスの販売効率推移</h3>
<p>&nbsp;</p>
<p>インディテックスの店舗数は直営店が4310店と前期から119店減少、FC店が1150店と同16店増加して計5460店となり、前期から103店、コロナ前20年1月期からは実に2000店以上も減少した。売り場面積は前期から1.5％増えたが20年1月期からは7.2％減少しており、一店平均面積は864.6平米と前期から3.4％、20年1月期からは27.0％拡大した。一店平均売上は730.1万ユーロ（12億5652万円）と前期から5.1％、20年1月期からは92.7％も増加し、平米当たり売上は8444.5ユーロ（145.3万円）と前期から1.7％、20年1月期からは51.8％も上昇している。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「ザラ」は1500店と前期から50店、「ザラホーム（ZARA HOME）」は374店と同17店減少したが、シーインの対抗馬とされる「ザラ」の低価格版「レフティーズ（LEFTIES）」※1.は215店と同6店増えた。テイストが大差ない「レフティーズ」は「ザラ」を食うリスクもあってか展開国はまだ18カ国にとどまり、スペイン、ポルトガル、メキシコ、サウジアラビアに集中して出店している。</p>
<p><a href="http://www.fcn.co.jp/wp-content/uploads/2026/04/d3141fcb89ebe18801b0a8915bdc17cd.jpg"><br /></a> <a href="http://www.fcn.co.jp/wp-content/uploads/2026/03/362d5e9295b628b1fd1e00241c1292ad.jpg"><img class="aligncenter size-large wp-image-8607" src="http://www.fcn.co.jp/wp-content/uploads/2026/03/362d5e9295b628b1fd1e00241c1292ad-838x1024.jpg" alt="INDITEX業績推移 202603121626" width="838" height="1024" /></a></p>
<p>&nbsp;</p>
<p>売上高も売り場面積も「ザラ」「ザラホーム」「レフティーズ」を合わせて「ザラ」として開示しているので、このくくりで計算する。売上高は280億5100万ユーロと全社の70.4％を占めるが、前期から1.0％しか伸びておらず、シェアは1.5ポイント低下した。20年1月期からは43.4％伸びているが「レフティーズ」も加わっており、「ザラ」だけの伸び率はつかめない。「ザラ」をドレスシフトして単価を上げる一方で低価格志向の顧客は「レフティーズ」でカバーする方針と見られるが、両者のテイストやカラーリングは全く差がなく（もちろん品質には差がある）、カニバリを恐れてか「レフティーズ」の展開地域は恐る恐る拡大されているようだ。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>店舗数は2089と前期から61店減少したが店舗面積は同1.3％拡大し、一店平均面積は1522.5平米と同4.3％、一店平均売上高は1342.8万ユーロ（23億1096万円）と同3.9％拡大した。平米当たり売上高は8819.4万ユーロ（151.8万円）と20年1月期からは50.8％も伸びているが、前期からはわずかかながら（0.3％）減少した。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>インディテックスはコロナ以降、急拡大したEC（EC比率は20年1月期の13.9％から21年1月期は32.3％）の顧客と店舗顧客を地域ごとに一元管理し、FC※2.出荷から店舗在庫引き当ての店舗渡し・店出荷に切り替え、店舗網と在庫を適正に再配置するローカルOMOマーケティングを推し進めてきた。その成果で前期は一店平均売上が20年1月期から1.81倍、平米当たり売上高も同1.49倍に伸びたが、今期はその効果が一巡した感がある。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>※１.「レフティーズ（LEFTIES）」…「ザラ」のアウトレットからリコンセプトした低価格業態で、「プライマーク」や「シーイン」に対抗する位置付け。テイストは「ザラ」と大差なく、スタイリッシュなドレスアイテムも豊富でカジュアルもキレイめだが、素材や縫製が落ちる分、「ザラ」よりゆる抜けたフィットになっているようだ。ドレスは9.9ユーロから、ジーンズは12.99ユーロからそろうとアナウンスされているが、今春のオンラインサイトで見る限り、ドレスは15.99〜19.99ユーロ、ジーンズは15.99〜29.99ユーロと上振れしており、9.99ユーロで買えるのはTシャツぐらいしか見当たらなかった</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>※2.DCとTCとFC…入荷した商品を棚入れしてからピッキングして出荷する保管型のDC（Distribution Center）に対し、棚入れせず仕分けして送り出す通過型の物流施設がTC（Transfer Center）で、FC（Fulfillment Center）は通販の出荷用DC</p>
<p>&nbsp;</p>
<h3>■ファーストリテイリングの販売効率推移</h3>
<p>&nbsp;</p>
<p>ファーストリテイリングは連結と国内ユニクロの二軸で見た。総店舗数は25店減の3570店と、コロナ下20年8月期の103店減以降、初めて減少に転じた。FC店は国内ユニクロの10店だけで変化がなかった。売り場面積は前期から1.7％増えて19年8月期からも26.1％増加し、一店平均面積は1017.8平米と前期から2.4％、19年8月期からは26.8％拡大したが、インディテックスも同期間に27.0％拡大している。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>一店平均売上高は9億5253万円万と前期から10.3％、19年8月期からは49.3％拡大したが、インディテックスは同期間にほぼ同様な一店平均面積拡大なのに一店平均売上高は92.7％も拡大している。平米当たり売上高は93.58万円と前期から7.7％、19年8月期からは16.4％拡大したが、同期間のインディテックスは51.8％も拡大している。この差は「店舗在庫軸ローカルOMOマーケティング」以前と以後の違いだと思う。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>ユニクロは世界で2519店と前期から24店、19年8月期からは323店増えたが、国内は794店と前期から3店、19年8月期からは23店減少した。メジャートレンド追いの低価格若向け業態「ジーユー（GU）」は486店と前期から14店、19年8月期からは65店増えた。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>ユニクロの売上高は2兆9364億円とファーストリテイリング全社の86.3％を占めて19年8月期の82.9％から3.4ポイント上昇し、前期から11.1％、19年8月期からは54.6％も伸びた。国内ユニクロの売上高は前期から10.1％増えて1兆261億円と初めて大台に乗ったが、19年8月期からは17.5％しか伸びていない。その一方、海外ユニクロは1兆9103億円と前期から11.6％、19年8月期からは86.2％も伸びている。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「ジーユー」の売上高は3307億円と前期から3.6％しか伸びず、19年8月期からも38.5％増と「ユニクロ」に比べると成長が見劣りするが、マーチャンダイジングもようやく定まりつつあり、アグレッシブな多重露出のルックVMDも「ユニクロ」よりインパクトがある。賃上げで若年層の購買力も高まっており、海外展開も本格化しつつあるから、再成長に転ずると期待される。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>国内ユニクロ直営店の平均稼働売場面積は前期から1.6％、19年8月期からは13.4％拡大し、一店平均面積は1066平米と前期から1.7％（18平米）、19年8月期からは11.6%（111平米）拡大した。一店平均売上は10億9240万円と前期から10.1％、19年8月期からは13.1％拡大しているが、「ザラ」の23億1096万円の半分にも届かない。平米当たり売上高は102.8万円と前期から8.0％伸びても19年8月期からは0.7％しか伸びておらず、「ザラ」の151.8万円の67.7％にとどまる。その差は価格帯とドレス比率の違い、ローカルOMOマーケティングの進展度によるもので、容易に縮まるとは思えない。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>一人当たり売上高は店舗規模の拡大と店舗DXなどによる運営の効率化で4261万円と前期から10.8％、19年8月期からは36.6％も上昇してアパレルチェーンとしてはトップクラスの効率に達しているが、逆算すれば一店平均運営人員は25.64人（臨時雇用者は8時間換算）と前期から0.2人、19年8月期からは5.4人も減少している。6期間で一店平均面積が11.6％、一店平均売上が13.1％拡大する中で運営人員を17.3％も圧縮できたのだから人時効率は跳ね上がるわけで、賃上げ競争に苦闘するアパレルは真剣に学ぶべきだろう。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>一店平均在庫（期初期末平均）と一店平均売上高、粗利益率から国内ユニクロ直営店の在庫回転も計算できるが、25年8月期は3.43回と前期から0.1回転、19年8月期からは0.79回転、速まっている。</p>
<p>&nbsp;</p>
<h3>■両者の商品財務を比較する</h3>
<p>&nbsp;</p>
<p>インディテックスとファーストリテイリングの商品財務はどちらも良好ながら、政策は対極的だ。どちらも路面店が多くテナント出店でも売上金を直接収納していることから、売上債権回転日数は10日強と大差なく、前期からの変化も小さい。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>国内アパレルチェーンの多くは「売上金預かり制」のテナント出店が大半で、商業施設デベロッパーが毎日の売上金を預かって月前半の売上金から固定の家賃や共益費を差し引いて月末に、月後半の売上金から歩合家賃や変動共益費を差し引いて翌月15日にテナントに振り込むのが一般的だ。よって直接収納より22.5日、売上金の入金が遅れることになる。実際、国内のテナント出店型アパレルチェーンでは短くて20日前後、長ければ40日にも及んで資金繰りを圧迫している。欧米では売上金はテナントが直接収納するから、欧米のアパレルチェーンが日本で出店する場合は直接収納を要求することが多い。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>棚資産回転日数は、どちらも自社開発型SPAながら、インディテックスは鮮度優先の小ロット・ファスト生産・無補給売り切りゆえ71.3日、ユニクロはコスト優先の大ロット・計画生産・継続補給販売ゆえ118.7日と47.4日の差がある。どちらも前期より3日前後短縮しているが、インディテックスは22年1月期からは12日近く短縮しているし、ファーストリテイリングも23年8月期からは4.6日、22年8月期からは43日も短縮している。それだけ売上予測と在庫配分・消化管理の精度が高まったと評価すべきだろう。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>棚資産回転は調達後の販売消化によるところが大きいが、調達のリードタイムも消化率を左右して棚資産回転に影響する。インディテックスはアジア生産を抑制してモロッコ、トルコなど近欧圏の生産比率を高め（6割強）、自社染色裁断素材・部材供給とDX連携でリードタイムを短縮し完成度も高めて平均単価も高めているが、ユニクロが欧米への調達リードタイムを短縮すべく近欧圏や中米に生産地を分散する動きはない。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>買掛債務回転はインディテックスとファーストリテイリングの政策が大きく異なる。インディテックスが前期から4.7日短縮しても188.3日とサイトが長いのに対し、ファーストリテイリングは前期から8.8日短縮して90.6日とインディテックスに倍する速さで、支払いはファーストリテイリングの方がファストだ。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>結果、キャッシュコンバージョンサイクルはインディテックスがマイナス106.4日と、純資産対比57.0％もの回転差資金が生じているのに対し、ファーストリテイリングは支払いを早めた分、38.4日と6.6日延びたが、純資産対比の運転資金率は2.3ポイント上昇しても15.4％と極めて健全な水準だ（ROE志向の強い欧米のアパレルチェーンでは100％を超えることも珍しくない）。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>商品経営の効率を示す交叉比率はインディテックスが58.25％×5.07回転の295.3（前期比−3.3ポイント）、ファーストリテイリングは53.78％×3.19回転の171.6（前期比＋4.5ポイント）とインディテックスの58％にとどまるが、価格帯と調達システムの根本的な相違に加え、「店舗在庫軸ローカルOMOマーケティング」以前と以後の効率格差も大きいと思われる。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>
<h3>■地域展開を比較する</h3>
<p>&nbsp;</p>
<p>ここまで両者を比較してくると、ファーストリテイリングが成長力を取り戻したとは言えインディテックスのリードは量的にも質的にも戦略的にも圧倒的で、容易に縮まりそうもないように見えるが、グローバルマーケテイングの視点からはどうだろうか。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>インディテックスは地政学的なリスクもある地域も含めて97の国と地域に5460店を展開しているが、マーケットの成長性と自社商品との親和性、カントリーリスクを天秤にかけてドラスティックに店舗布陣を移動している。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>新疆綿問題や国潮（グォチャオ）の広がりで不買運動に直面した中国本土の店舗数はピークの4分の1に減って尚、26年1月期も23店減って111店とピークの2割を割り込み、香港もピークから半減して尚、3店減って11店とピークの3分の1強に減り、遠からずの撤退を予感させる。飽和状態になって久しいスペイン本国も62店減ったが、業態構成と店舗配置の最適化で売上構成比は上昇している。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>次に減少が目立つのが日本で、18年1月期末の150店から68店と半分以下になって尚、今期も5店減って63店になった。ウクライナでもロシアによる侵攻直前22年1月期末の85店から前期末77店、今期末64店と4分の3に減少したに過ぎないから、それ以上のカントリーリスク（マーケットの縮小と採算性の悪化）があると評価されているのだろう。買い物客で賑わう「ザラ」の都心店を見ているとそこまでの状況とは思えないが、地方店や郊外店が苦しかったと推察される。代わって増えたのがイスラエル（10店増）やインドネシア（10店増）、UAE（7店増）やレバノン（7店増）などで、地政学的リスクよりマーケットの成長性を重視しているように見える。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>ユニクロと比較すべく地域別の売上構成比を見ると、スペイン（0.8ポイント上昇の15.9％）も含めた欧州が67.2％と前期から1.5ポイント上昇した一方、南北米州は17.8％と同0.8ポイント、日本や中国を含むアジア太平洋地域は15.0％と同0.7ポイント低下している。日本の売上構成比は開示がないが、店舗数では1.15％と限られる。低価格業態の「レフティーズ」も含めてユーロモードのテイストが通底しており、ユニクロのように多少なりともローカル対応する意志もなく、好まれる地域で拡大すれば良いと考えているようだ。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>生産圏も巨大集中TCが位置するスペイン（オランダにも一カ所ある）に接近させており、日本や中国を含むアジア太平洋地域は非中核市場と割り切られているように見える。とは言っても、26年1月期でもFCが店舗の21%、売上高の14％を占めるから、成長性や採算性が見込めない非中核市場ではFCに比重を移して維持していくと思われる。日本でも市場規模が限られて採算が苦しい地方店はFCや販売代行にシフトするブランドが多いから、合理的な選択と見るべきだろう。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>ユニクロ事業の地域別売上構成比は日本を除くアジア太平洋地域が43.2％と前期から2.8ポイント、日本も34.9％と同0.3P低下した一方、欧州は12.6％と2.1ポイント、米州（米国だけだが）は9.2％と1.0ポイント上昇した。アジア太平洋地域のうちグレイターチャイナは22.1％と3.5ポイントも低下しており、経済と消費の低迷を反映しているが、インディテックスのように非中核市場と看做しているわけではなく再拡大が計画されている。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>インディテックスがスペインを含む欧州に売上高の67.2％が集中して構成費も上昇しているのに対し、ファーストリテイリングは日本を含むアジア太平洋に78.1％が集中する一方で構成費は欧州、米州が上昇している。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>インディテックスは生産も欧州近隣圏にシフトする一方でアジア生産は抑制しており、中国市場の拡大期にラ・コルーニア型のハブ・コンビナートを中国に移植しなかった以上、アジア市場は過渡期の非中核市場とならざるを得ない。ユニクロが未だ中国中心のアジア生産から抜け出せないまま欧州、米州を拡大するのは物流でもローカル対応生産でも適切とは言えず、いずれ欧州の近隣圏（北アフリカや東欧、西アジア）や米州の近隣圏（中米）に生産を分散せざるを得なくなるだろう。</p>
<p>&nbsp;</p>
<h3>■成長余地はどちらが大きいか</h3>
<p>&nbsp;</p>
<p>インディテックスは「ザラ」をドレスシフトして高級化する一方、低価格志向の顧客は「レフティーズ」でカバーしようとしているが、テイストもアイテムも近過ぎてカニバリのリスクが指摘される。ファーストリティリングはコストインフレを吸収する程度の値上げはしても「ユニクロ」の「高級化」などは考えておらず、万人のための質実な「ライフウェア」を追求する一方、メジャートレンド志向の若年層（10代〜30代）は「ジーユー」で捉えようとしているが、「ユニクロ」と「ジーユー」はテイストも客層もウエアリングも異なるのでカニバリは考え難い。「ジーユー」は継続的に若年層を惹きつけて安定した売り上げを稼げる年間のMD展開を確立し、店舗売上規模を拡大して運営を効率化し収益構造を確立することが要であって、「ユニクロ」との棲み分けを過度に配慮する必要はないだろう。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「ザラ」は感度も品質も追求するモードの使徒であり、サイズ展開は幅広くても色展開はモードなベーシックカラー（1〜3色）に絞られてインクルーシブとは言えないし、それは「レフティーズ」も同様だ。ローカルフィットにも消極的だからウェーブ（脂肪質）なモンゴロイドにはフィットが合わず、顧客の間口も制約される。小ロット・ファスト生産・無補給売り切りだから欠品は常態で、インクルーシブにはほど遠い。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「ユニクロ」はメンズ企画のユニセックスアメカジからスタートし、フリースブーム後の売上急減を経てウィメンズ企画を独立させ、内外の多くのクリエイターとのコラボを重ねてスペックを磨き、アジアはもちろん欧州や米国でも万人の「ライフウェア」として受け入れられるよう改良を重ねてきた。多くの顧客をカバーするようサイズ展開が幅広く色展開も「ザラ」より格段に豊富で、何より「欠品は犯罪だ！」と言い切って売れ残りを恐れず多段階に在庫を積み上げ、インクルーシブに徹している。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>万人向きのテイストやフィット、機能性や汎用性を備えた「ライフウェア」、顧客を限定しないインクルーシブな商品企画やサイズ／カラー展開、欠品させない補給体制などからグローバルな成長余地は「ユニクロ」の方が大きく、インディテックスは良くも悪くも顧客を選ぶ「ユーロモード」という枠を大きくは出られない。インディテックスは早くからDX装備したファストな商品開発体制や自社染色裁断素材・部材供給による欧州近隣圏生産、店舗網と在庫を適正に再配置するローカルOMOマーケティングなどシステムとマネジメントはもはや洗練の域にあるが、顧客を選ばぬ成長余地という点ではファーストリテイリングに及ばない。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>両者の格差はまだ大きく、差が縮まるには時間を要するだろうが、ファーストリテイリングは着実に差を詰めていくと思われる。</p>
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		<title>ダイヤモンド・チェーンストアオンライン『「三極化」する衣料消費⋯⋯ 最新統計で占うアパレル市場の風向き』(2026年03月13日付)</title>
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		<pubDate>Fri, 13 Mar 2026 07:05:26 +0000</pubDate>
		<dc:creator><![CDATA[kojima_admin]]></dc:creator>
				<category><![CDATA[論文]]></category>

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		<description><![CDATA[　賃上げで多少は懐が暖かくなったのか、長年萎縮してきた衣料消費も一部に復活の兆しが見えてきたが、機能性やイージーケア、コスパが必定となった衣料消費の変質が逆戻りするわけもない。16年から続いた衣料品の購入単価下落も円安イ [&#8230;]]]></description>
				<content:encoded><![CDATA[<p>　賃上げで多少は懐が暖かくなったのか、長年萎縮してきた衣料消費も一部に復活の兆しが見えてきたが、機能性やイージーケア、コスパが必定となった衣料消費の変質が逆戻りするわけもない。16年から続いた衣料品の購入単価下落も円安インフレで21年を底に反転したとはいえ、衣料消費総体の低価格志向が止まったわけでもない。最新のデータと現場の実感を擦り合わせて衣料消費の今後を占ってみよう。</p>
<p>&nbsp;</p>
<h3>■回復局面が一巡した25年の衣料消費</h3>
<p>　衣料消費に関する25年のデータが出揃ったが、全国百貨店衣料品、チェーンストア衣料品、家計調査の被服及び履物支出のいずれも24年から減速し、コロナ明けのリベンジ消費と円安インフレ、一部ではインバウンドに押し上げられた回復局面が一巡したことが見て取れる。</p>
<p>　全国百貨店総額は前年から1.5%、衣料品は同2.2%減少し、総額は19年の99.1%、衣料品は同90.0%、チェーンストア衣料品は同1.8%減少して19年の68.5%（衣料売場の撤退や縮小が続いた）にとどまった。家計調査の被服及び履物支出も同1.8%減少して19年の89.0%と、百貨店衣料品と近似している。経済産業省の商業動態統計では小売業総体が前年から1.4%、19年からも8.5%伸びたのに対し、織物・衣服・身の回り品小売業は前年から1.3%伸びても19年比は8掛けにとどまった。22年以降は円安でインフレに転じており、この間のインフレ率12.0%を割り引けば全国百貨店衣料品は19年の80.4%、家計調査の被服及び履物支出は79.5%というのが実勢と受け止めるべきだろう。</p>
<p>　米国商務省国勢調査局（US Sensus Bureau）小売売上統計の「デパートメントストア」はJCペニーなどPDSも含んでいたが、25年は前年から0.8%減少して19年の71.8%にとどまった（PDSやデパートの倒産が相次いだ）。「衣料品＆服飾雑貨店」は前年から5.5%増加して19年からも22.6%伸びているが、この間のインフレ率26.0%を差し引けば実質97.3%にとどまる。</p>
<p>繊研新聞が伝えるところによれば、フランスモード研究所が発表した25年のフランスのアパレル市場規模も前年から1.6%減少して19年の93%弱にとどまったというから我が国と大差はないが、円安インフレの我が国とは逆にユーロ高もあって価格下落圧力が強まっている（米国から締め出されたシーインなど中国の激安越境EC衣料品が殺到していることも要因）。</p>
<p>先進国の衣料消費はいずれもコロナ明けのリベンジ消費が一巡して伸び悩んでおり、日本と米国はインフレ下、フランスはディスインフレ下で低価格シフトが鮮明になっている。</p>
<p>&nbsp;</p>
<h3>■三極化する衣料消費</h3>
<p>衣料消費は「二極化している」と言われるが、価格帯別の動向を仔細に見れば「三極化している」のが実態だ。矢野経済研究所の24年までの集計をベースとすれば、25年の衣料品市場は下着や靴下まで含んで8兆4200億円前後に着地したと推計されるが、これはコロナ前19年の92%弱、00年の60%強で、近年のインフレも考慮すれば四半世紀で実質、半分ほどに縮小したことになる。</p>
<p>ラグジュアリーブランドは1兆円強の市場規模があるが免税売上や衣料品以外の靴・鞄やジュエリー、ウォッチに依存する比率が高く、衣料品の国内シェアは金額ベースで（以下同）2%ほどにとどまると見られる。百貨店の衣料品は25年で1兆5058億円と00年の42.4%に縮小したが、単価が高いだけに未だ国内衣料品市場の17.9%を占める。ラグジュアリーブランド衣料品の多くは百貨店衣料品に含まれるから、両者を合わせた高価格のプレミアムマーケットは国内衣料品市場の19%弱と推計されるが、アパレル事業者の百貨店離れやインバウンドのモノ離れ（コト志向）、国内富裕層のクワイエット志向（ブランド品で悪目立ちしたくない）で漸減していくと思われる。</p>
<p>その一方、「ユニクロ」は直営店だけで8692億円と国内衣料品市場の10.3%、「GU」まで合わせれば1兆2000億円と14.3%も占め、しまむら全業態計6565億円（国内のみ）は7.9%を占める。チェーンストア衣料品5975億円も7.1%を占めるが、しまむら一社にも及ばない。これらに「無印良品」の衣料品などSC価格のアパレルチェーンを加えたボリュームマーケット全体では衣料品市場の55%ほどを占めると推計する。</p>
<p>両者の狭間でシェアを伸ばしているのが駅ビル・ファッションビルなど都心の付加価値型衣料品市場（スペシャルティマーケット）で、大手セレクト5社の合計売上（パルグループは衣料事業のみ）は5587億円とコロナ前19年から12.0%伸びているが、店舗売上はコロナ前を回復しておらず、ECの伸びで補っている。中小のセレクトショップを合わせたシェアは10%弱、同クラスのブランドアパレルの売り上げを合算した市場規模は百貨店衣料品を超えて20%に達すると推計する。</p>
<p>　コロナ下で急伸したのがECで、経済産業省の「電子商取引に関する市場調査結果」によれば24年の「衣料・服飾雑貨」EC売り上げは前年から4.74%伸びて2兆7980億円と小売市場の23.38%を占めたとされる。これには靴・バッグなど服飾雑貨やラグジュアリー雑貨も含まれ、大半がアパレルチェーンやアパレルメーカーの売上に計上されているから、それらに計上されない国内EC売上（EC専業アパレルやD2Cアパレル）は衣料品市場の6%前後と推計する。EC専業アパレルの大半は低価格のボリュームマーケットだが、D2Cアパレルの多くは中価格のスペシャルティマーケットに仕分けられる（シェアはコンマ以下）。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>大雑把ながら国内衣料品市場はプレミアムマーケット19%弱、スペシャルティマーケット20%強、ボリュームマーケット61%（EC専業アパレルを含む）に三極化していると推計するが、実態は「四極化」が急進している。前述した国内衣料品市場8兆4200億円に含まれないシーインやテムなど中国系越境ECの日本国内売上は諸説あるものの、チェーンストア衣料品（5975億円）もZOZO（25年3月期で取扱高6144億円）も超えていると推計されるからだ。さすれば国内衣料品市場の実態は9兆1000億円弱、中国系越境ECはその7.3%ほどを占めたことになる。</p>
<p>チェーンストア衣料品を大きく凌駕するシェアをたった5年で獲得した勢いは恐ろしいものがあり、画期的な「流通革命」（EC掲載先行・短サイクル少量反復「無在庫」生産・産直越境「無税」通販）だったと受け止めるべきだ。チェーンストア衣料品は半世紀前の古い流通の仕組みを何も変えず価値も価格も革新しなかったのだから、没落は必然だった。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>■「賃上げ」が際立つ若年層と女性に勢い</p>
<p>　衣料市場の趨勢は三極化でも、世代やジェンダーなど個別の勢いは異なる。</p>
<p>厚生労働省の毎月勤労統計では25年は給与の伸びが2.3%にとどまった一方で物価は3.7%も上昇して実質所得は1.3%減少したが（減少は4年連続）、若年層と女性の実質所得は伸びている。20年から24年の賃金上昇率は20代前半で10.5%、20代後半で10.0%、30代前半で9.5%、30代後半で8.5%、40代前半で7.8%、40代後半で7.3%、50代前半は4.2%と若年層ほど高く、24年は20代前半、後半の女性が5.0%、30代後半の女性が5.3%、40代後半の女性が5.8%と年齢を問わず女性の賃金が伸びた。</p>
<p>25年はまだ速報段階で男女別の集計は開示されていないが、全体の賃金上昇率が前年の3.8%から3.1%に大きく減速する中も若年層ほど高いという傾向は変わっていない。全体では10代から20代が4.4〜4.5%、30代前半が4.3%、30代後半が3.6%、40代前半が3.7%だったが40代後半は1.4%、50代も2.2%と若年層ほど高く、学卒の20代が5.2%と突出しているのは30万円〜40万円と競われた初任給引き上げが反映したと思われる。</p>
<p>わざわざ若年層と女性の所得が伸びていると論証したのは、商業施設やブランド／業態の個別動向では若年層や勤労女性向け衣料の高付加価値化が顕著だからだ。若年層や勤労女性向け衣料に限ればボリュームゾーンよりモデレートゾーンの伸びが高く、首都圏の駅ビルなどは積極的に高付加価値テナントに入れ替えている。</p>
<p>高額なブランド衣料と低価格のコモディティ衣料や激安の越境EC衣料に二極化しているとされてきた衣料消費だが、所得が伸びている若年層と女性ではスペシャルティマーケットでの単価アップやご愛顧ブランドのクラスアップが顕著で三極化している。一時はシーインやテムに流れたティーンズ層もアルバイトなどで稼げる一部の高校生や大学生は懐が暖かくなってブランド志向やトレンド志向を強めており、売れる価格帯が上振れしている。</p>
<p>その中で旧来のアメカジ系（ギャル系も含む）やエレガンス系（かつての赤文字系）が衰退する一方、レディスではロリータ系のバリエーション（量産系から地雷系や病みカワ系、クラシック系など）が広がってOL層でも大人可愛いアイドル卒業系ブランドが台頭し、メンズではモード系〜ストリートモード系のバリエーションが広がって韓流アイドル的なスタイリングも珍しくはなくなった。総じてキレイめなドレス志向が強く、黒やチャコール、パープルが目立つ店頭はグローバルなファッショントレンドとは異質で、独自のトレンドを形成している。</p>
<p>&nbsp;</p>
<h3>■追い風のマーケットで生産性を高め好循環に転ずる</h3>
<p>インフレが定着して若年層や女性の給与が伸びる中、デフレ時代の感覚を引きずって低価格に固執するアパレルチェーンもあるが、同じような運営体制なら商品単価、客単価の高いチェーンほど給与水準が高いのが現実だ。若年労働力が逼迫する中、賃上げ競争に遅れをとっては人材の量も質も揃わず組織の活力も競り負けてしまう。</p>
<p>多くのアパレルチェーンに関与して来たが、店舗規模や店舗DXで突出した大手チェーンを除けば給与水準と人材の質は悲しいほど価格帯にスライドしている。「賃上げ」を経営目的の第一義に掲げ、「価格が通る追い風のマーケットやカテゴリー」にシフトし、バイヤー／マーチャンダイザーの単品調達感覚を脱して素材からコーディネイトMDを組んでスペックと付加価値を高めて商品単価を上向け、顧客のライフスタイルに寄り添うシーンMDで客単価を高めないと、インフレに追い越されて会社総体が貧困化してしまう。</p>
<p>販売の生産性で競り負ければ「賃上げ」でも採用でも競り負けて会社の貧困化が進み、それがまた商品単価・客単価と販売の生産性を停滞させるという悪循環に陥る。衣料消費が停滞する中も追い風が吹くマーケットもあり、商品単価・客単価と販売の生産性を高めれば収益力が上向き、「賃上げ」でも採用でも競り勝つ好循環に転ずることが出来る。</p>
<p>インフレ局面では変化しない者はコストに飲み込まれて衰退し、リスクを取って変化する者がコストを超えて躍進するから、変化に挑んで好循環に転ずることが必定だ。衣料品業界も経営意志さえあればそれができる状況ではないか。</p>
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		<title> WWD　小島健輔リポート『ワコールと資生堂、女性美の名門企業は何故つまずいたのか』(2026年02月25日付)</title>
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		<pubDate>Wed, 25 Feb 2026 05:41:20 +0000</pubDate>
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				<category><![CDATA[論文]]></category>

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		<description><![CDATA[　ワコールは23年3月期、24年3月期と最終赤字に転落。延べ千人を超える希望退職など相次ぐリストラや固定資産売却益で補って25年3月期は当期黒字に装飾しても、26年3月期予想も事業損益は赤字を脱せない苦境が続く。資生堂も [&#8230;]]]></description>
				<content:encoded><![CDATA[<p><a href="http://www.fcn.co.jp/wp-content/uploads/2026/02/2ef5c07c42e6757e62b28e1008fc301c.jpg"><br /></a> 　ワコールは23年3月期、24年3月期と最終赤字に転落。延べ千人を超える希望退職など相次ぐリストラや固定資産売却益で補って25年3月期は当期黒字に装飾しても、26年3月期予想も事業損益は赤字を脱せない苦境が続く。資生堂も24年12月期に最終赤字に転落。3次に渡るリストラで2057人を整理するも25年12月期も288億円の営業赤字、407億円の最終赤字と苦境が深まっている。ランジェリーとコスメと分野は違えども、揺るぎなきブランドイメージで業界に君臨して来た女性美の名門企業は何故、躓いたのだろうか。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>■業績悪化に歯止めがかからないワコール</p>
<p><a href="http://www.fcn.co.jp/wp-content/uploads/2026/02/2ef5c07c42e6757e62b28e1008fc301c.jpg"><img class="aligncenter size-large wp-image-8561" src="http://www.fcn.co.jp/wp-content/uploads/2026/02/2ef5c07c42e6757e62b28e1008fc301c-1024x532.jpg" alt="R[ÌÆÑÚ 202602201810" width="1024" height="532" /></a></p>
<p>ワコールの25年3月期連結業績は売上収益が1738億9600万円と前期から7.1%、ピークだった16年3月期からは14.3%減少し、「営業利益」は 23年3月期の34億9000万円の損失、24年3月期の95億300万円の損失からは脱却したものの33億2800万円と、近年のピークだった16年3月期の138億6500万円の4分の1（24.0%）に落ち込んだ。</p>
<p>この「営業利益」は固定資産売却益など営業外収支で補われたもので、営業損益の実態を現す「事業利益」は前期の35億1000万円の黒字から33億9700万円の赤字に転落。固定資産売却益などの営業外収支で67億2500万円、金融収支と投資利益で72億4500万円を補って当期利益を67億8800万円に装飾し、23年3月期（−16億100万円）、24年3月期（−87億4300万円）と2期続いた最終赤字からは脱却したものの、実態営業損益の悪化には歯止めがかかっていない。</p>
<p>国内ワコール事業の売上も878億2800万円と前期から6.8%、16年3月期の1205億7000万円からは27.2%減少し、損益実態を現す事業利益は47億7700万円の損失に落ち込んだが、固定資産売却益などで補って「営業利益」は29億7000万円を計上している。</p>
<p>23年から三次に渡る希望退職に応募した人数は1141人に及び、18年3月期末から25年3月期末で正社員は4780人、臨時従業員も447人減少している。この間の減少率は正社員で22.9%、臨時従業員では58.0%にも達したから、組織の活力も相応に衰えたと推察される。</p>
<p>　26年3月期第3四半期累計連結業績（4〜12月）は売上収益は前年同期から2.4%減と落ち止まっていないが、リストラ効果もあって事業利益は31億1800万円と前年同期の14億8400万円から倍増している。とは言っても第4四半期は在庫処分などで利益が落ち込むから、26年3月期の事業利益は15億円の赤字を予想しており、営業外収支や投資利益などで補って202億円の営業利益計上を目論んでいる。事業損益の赤字は変わっておらず、業績浮揚の兆しは未だ見えていない。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>■ユニクロに追い落とされたワコール</p>
<p>　ワコールの業績を振り返ると、二段階で落ち込んで行ったことが分かる。ユニクロが2003年に発売した「ワイヤレスブラ」に象徴されるアパレルチェーンの機能下着に価格負けしたのが第一段階で、同じくユニクロが08年に発売した「ブラトップ」（ブラ機能を兼ねるトップス）にブラジャー需要が駆逐されたのが第二段階だった。ユーロモニターに拠れば20年段階で女性下着のシェアはユニクロが22%を占めてワコールは20%と2位に落ち、しまむらも14%を占めるに至った。</p>
<p>それでもワコールはセールと海外事業を拡大し買収で事業規模を保ったが、17年3月期以降は主力とする国内ワコール事業の売上が減少して連結売上も伸び悩み、19年10月の消費税増税に続くコロナ禍で大きく落ち込んだ。コロナが明けても国内ワコール事業の回復は鈍く、売上収益は25年3月期も20年3月期の82.8%、16年3月期の72.8%にとどまり、前述したように損益実態を現す「事業利益」も47億7700万円の損失に落ち込んだ。</p>
<p>その要因と考えられるのが女性の急激な社会戦力化と近年の夏場の亜熱帯化だ。女性が社会戦力化するに連れ下着の機能性要求が強まって装飾性やセクシー性は後退し、アパレルチェーン各社の手頃な機能下着がワコールのシェアを奪っていった。加えて、近年の夏場の亜熱帯化で吸湿速乾や汗シミ防止、接触冷感など機能性を備えたアパレルチェーンの手頃なブラトップやショーツが急速に拡大したこともワコールを追い詰めた。</p>
<p>それはワコールに限らず、アパレル市場（下着も含む）とインナーウェア市場の全体でも言えることだ。矢野経済研究所に拠れば、アパレル市場が23年、24年と21年のコロナの落ち込みから13%ほど回復したのに対し、インナーウェア市場は21年からさらに1.1%落ち込んで回復しておらず、アパレル市場に対するインナーウエア市場のシェアも21年の9.78%から24年は9.04%に落ちている。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>■コロナ明けの回復から暗転した資生堂</p>
<p><a href="http://www.fcn.co.jp/wp-content/uploads/2026/02/33ebda90e88cc45bcc4498f9170df051.jpg"><img class="aligncenter size-large wp-image-8562" src="http://www.fcn.co.jp/wp-content/uploads/2026/02/33ebda90e88cc45bcc4498f9170df051-1024x649.jpg" alt="R[ÌÆÑÚ 202602201810" width="1024" height="649" /></a></p>
<p>資生堂はコロナ明けの回復から一転して業績が悪化。24年12月期は営業利益が75億7500万円と前期から73%も減少して108億1300万円の最終赤字に転落。25年12月期も287億8800万円の営業赤字、406億8000万円の最終赤字と苦境が深まっている。売上高は25年12月期で9699億9200万円と前期から2.1%減少し、21年7月のパーソナルケア（日用品）事業の売却（19年12月期で売上高1056億円）もあって、コロナ前19年12月期の1兆1315億4700万円からは14.3%減少している。</p>
<p>3次に渡る希望退職募集で2057人を整理するなど人員の削減も急ピッチで、常勤従業員数は19年12月期末の40000人から25年12月期末の26330人へと34.2%（13670人）も減少。25年12月期末の臨時従業員数の開示はないが、前期までの趨勢から見て19年12月期末の8130人から4780人ほどに41%強減少したと推計される。合わせてコロナ前から実に35.4%、17000余人が会社を去ったわけで、社内の暗澹たる敗戦気分は想像に難くない。</p>
<p>そこまでの言い方をするのは、国内でもアジアでも（日本・中国＆トラベルリテール・アジアパシフィック事業売上は連結売上の4分の3近くを占める）長年磨き上げて来た資生堂のブランド力は不動で、コロナが明け始めた21年12月期の力強い業績回復からは以降の急激な暗転は想像もつかなかったと思われるからだ。当時の従業員は会社の将来に微塵も不安を抱いていなかったのではないか。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>■パーソナルケア事業売却が転落の契機</p>
<p>24年12月期は中国事業とトラベルリテール（免税店卸）事業の減収に加え、早期退職募集に伴う費用やデッドファイナンス引き当て費用128億円など計266億円の構造改革費用、25年12月期は中国事業とトラベルリテール事業、米国事業におけるスキンケアブランドの販売不振に加え、構造改革費用206億円、米州事業ののれん減損468億円など計513億円に上る減損損失の計上が響いたとされるが、そのような減収と巨額の構造改革費用や減損を招いたマーケティング戦略の失策が転落の元凶だったと思われる。</p>
<p>暗転の契機となったのは21年7月のパーソナルケア（日用品）事業の売却だったのではないかと指摘する業界関係者は少なくない。</p>
<p>化粧品の店舗販売には百貨店、免税店、専門店、ドラッグストア、バラエティストア（百均なども含む）の五つのチャネル、それに呼応するようにラグジュアリー、プレミアム、スペシャルティ、コモディティ、ガジェットの五つのクラスがあり、メイクアップ系、スキンケア系、ボディケア系、ヘアケア系、フレグランス系などのカテゴリーからなる。それぞれのチャネル、クラス、カテゴリー毎にマーケットと競合があり、化粧品メーカーのマーケティングはそれら個別市場におけるシェアとポジション、それらの結果としての企業ブランディングと収益構造が問われる。市場規模はドラッグストア、コモディティ、パーソナルケアが最も大きく、これらを欠いては事業規模が限定され、マーケティング費用や固定費用の負担力が制約される。</p>
<p>ブランディングは長年に渡る研究開発や宣伝活動による刷り込みの成果であり、マーケティング費用の絶対額で競り負けてはジリ貧に陥ってしまう。資生堂の25年12月期のマーケティング費用と研究開発費用の合計は3211億円、売上対比33.1%であり、絶対売上高で勝る花王（25年12月期）の2124億円、売上対比12.6%を大きく凌駕する。そのマーケティング費用と研究開発費用を支えるのが売上の絶対規模であり、ドラッグストアを中心とするパーソナルケア（日用品）事業は19年12月期で1056億円と資生堂全社売上の9.3%を占めていた。</p>
<p>単価が低くマーケティング費用に見合わないとして1600億円で売却されたパーソナルケア（「TSUBAKI」「uno」など日用品ブランド）事業は低いマーケティングコストで安定した売上が稼げるコモディティ商品であり、実は収益力も資生堂に残されたプレミアム化粧品より高かった。実際、パーソナルケア事業スピンアウトの受け皿となったファイントゥデイHD（旧ファイントゥデイ資生堂）の売上はコンスタントに1000億円を超え、営業利益率は22年12月14.4%、23年12月期22.8%、24年12月期13.7%と資生堂より格段に高収益だし、それに相当する花王のヘルスビューティケア事業の営業利益率も9.0%と高い。付加価値はプレミアム化粧品ほど高くないがマーケティングコストが格段に低く、結果として営業利益率は大きく優る。</p>
<p>パーソナルケア事業の売却は売上規模を縮小してマーケティング費用の負担力を損なっただけでなく、人件費など固定費用の負担力も切り下げたから、売上が落ちればリストラが必定になってしまう。資本力ある会社は売上が伸び悩めば同業の買収で売上規模を拡大して固定費率を落とし収益力を高めるのが定石とされるが、資生堂はわざわざその逆を断行して骨身を削る悲劇に転落した。その決定をした当時のCEOが会社を追われたのは当然だが、その愚行を止めなかった社外取締役も責任は免れない。なのに未だ当時の社外取締役が居座るのは資生堂のガバナンスを疑わせる。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>■名門企業は何故、愚行に走ったのか</p>
<p>　ワコールは女性が急激に社会戦力化する中で手頃な機能性下着や機能性トップスへのシフトが遅れ、ユニクロなどアパレルチェーンにシェアを奪われて業績が悪化した。資生堂は付加価値もマーケティングコストも高いプレミアム化粧品に集中すべく、マーケティングコストの低いコモディティのパーソナルケア事業を売却して売上規模を切り下げた結果、中国事業や米国事業の売上減少も加わってマーケティングコストや人件費などの固定費を支えられなくなり、業績が暗転した。</p>
<p>表面的には両者の転落構図に共通する要因は見えないが、マーケットサイドとマネジメントサイドそれぞれに共通する決定的な要因があった。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>マーケットサイドでは、女性の急激な社会戦力化がもたらす衣生活やパーソナルケアの機能性要求とコストパフォーマンス要求が共通した背景として指摘される。アウターとインナーを問わず（男女も問わないが）衣料品に対する機能性とイージーケアは必須の要求で、ワコールの転落はアメカジや既製服にも通ずる。機能性合繊のアスレジャーがカジュアルに浸透して旧来のアメカジ（綿系ワークカジュアル）が駆逐され、コロナ禍を経て既製スーツの過半は合繊のアクティブスーツに代わり、残った既製スーツも過半がウォッシャブルに変貌している（「洋服の青山」では約7割）。</p>
<p>インバウンドに沸く百貨店や免税店のプレミアム化粧品はともかく、日常のパーソナルケア（スキンケア、ボディケア、ヘアケアなど）はドラッグストアなどで買える手軽な高機能商品が主流で、表層的なトレンドで替わっていくメイクアップ商品などより格段にマーケットが大きい。女性が社会戦力化する中、化粧品の主流はメイクアップ商品から機能性のパーソナルケア商品（お手頃品だけでなく高額品もある）にシフトしており、それを切り捨てれば成長性も収益性も限定されてしまう。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>マネジメントサイドでは、執行経営陣の「暴走」や「不作為」を監視するガバナンスの欠落が指摘される。ワコールの場合は創業二世経営者による08年のピーチ・ジョン買収という愚行に懲りてか、内部昇進の堅実な経営陣が変化への対応に遅れるという「不作為」がジリ貧を招いた。海外事業買収や国内の業態開発、EC対応（26年3月期3Q段階で連結EC比率は31.1%）は着実に進められたが、手頃な機能商品の開発やサプライチェーンの再構築は変化の速さに追いつけなかった。資生堂の場合は初めて外部から招いたプロ経営者が名門としての伝統的なブランディングや部門バランスを無視して安定した売上と収益のパーソナルケア事業を売却し、外部環境も逆風となって売上規模が収縮し固定費を支えられなくなった。</p>
<p>事業の買収や売却は外部環境などで結果は分かれるが、売上・粗利益と固定費のバランス改善による収益性の向上は必須条件で、資生堂のパーソナルケア事業売却はメリットのない自傷行為にしか見えない。おそらく当時も疑問を抱いた幹部もいたに違いないが、魚谷雅彦代表取締役執行役員社長に全権が集中した状況では異論は挟めなかったのだろう。それでも外部取締役は異議を唱えることができたはずで、その「不作為」は責められて然るべきだ。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>両社がたまたま女性美の名門企業だっただけで、似たような執行経営陣の「暴走」や「不作為」はどこでも見られる日常風景だ。外部取締役が軋轢を嫌って「不作為」を極め込んでも、外部のアドバイザーという立場で苦言を呈することはできるが、取締役でもないのだから聞き入れられることは滅多になく、「不快」として遠ざけられるだけだ。</p>
<p>第三者による制御が困難な以上、企業が躍進するのも躓くのも執行経営陣とりわけ代表取締役の見識と能力次第であり、その人選次第で企業の命運は決まってしまう。ほとんどの場合、その人選が決まるプロセスも極めて不透明だから、突き詰めれば「運命論」に帰結せざるを得ない。ワコールの凋落も資生堂の暗転も「運命だった」とすれば、職を失った従業員や不利益を被った取引先も「災難だった」わけで、マーケティングや経営判断以前に、執行経営陣を監督する外部機能や組織ガバナンスが欠落していたことが悔やまれる。それは両社に限らずアパレル業界や化粧品業界にも限らない組織の普遍的な課題ではないか。</p>
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		<title>ダイヤモンド・チェーンストアオンライン『百貨店の活況は束の間の「棚ボタ」だったのか』(2026年02月12日付)</title>
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		<pubDate>Thu, 12 Feb 2026 05:27:56 +0000</pubDate>
		<dc:creator><![CDATA[kojima_admin]]></dc:creator>
				<category><![CDATA[論文]]></category>

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		<description><![CDATA[&#160; &#160; 　インバウンド消費や株高景気に押し上げられて活況を呈していた都心の百貨店も、25年12月は免税売上が急減して失速。25年通期の全国百貨店売上総額も5兆6755億円と前年から1.5%減少して19 [&#8230;]]]></description>
				<content:encoded><![CDATA[<p><a href="http://www.fcn.co.jp/wp-content/uploads/2015/01/b361ee3e13069c4a4134b3662b6d88f1.jpg"><img class="aligncenter size-large wp-image-8500" src="http://www.fcn.co.jp/wp-content/uploads/2015/01/b361ee3e13069c4a4134b3662b6d88f1-1024x772.jpg" alt="vg" width="1024" height="772" /></a></p>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　インバウンド消費や株高景気に押し上げられて活況を呈していた都心の百貨店も、25年12月は免税売上が急減して失速。25年通期の全国百貨店売上総額も5兆6755億円と前年から1.5%減少して19年比99.1%、衣料品は同2.2%減少して19年比90.0%に落ち込んだ。25年11月までの活況が実力だったのか、インバウンドに押し上げられた束の間の宴だったのか。斜陽産業という百貨店の命運は変わらないのだろうか。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>■免税売上が剥げ落ちたら</p>
<p>　コロナ明け以降の百貨店売上はリベンジ消費とインバウンド復活によって急ピッチで回復していったが、その勢いを支えていたのは免税売上だった。</p>
<p>　コロナ前18年度（高単価の百貨店は19年10月の消費税増税による落ち込みが大きかったので18年を起点とする）の全国百貨店売上総額5兆8870億円がコロナ禍の20年は4兆2204億円に落ち込んだが、21年は4兆4183億円、22年は4兆9812億円、23年は5兆4212億円、24年は5兆7722億円と回復が加速。24年は18年の水準には至らなかったものの（98.0%）、19年の水準はかろうじて超えた（100.3%）。</p>
<p>　とは言っても免税売上は18年の3396億円、19年の3461億円から24年は6487億円、25年も5667億円に増加しており、それを除いた真水の国内売上は24年で5兆1234億円、25年で5兆1087億円と、18年の</p>
<p>5兆5474億円はおろか19年の5兆4086億円にも届いていない。25年で18年比82.1%というのが実力だ。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>全国百貨店売上総額に占める免税売上比率は24年で11.24％、25年で9.99％だったが、東京や大阪の</p>
<p>都心百貨店では最盛期には25〜50％にも達していた。それが剥げ落ちれば業績は暗転してしまう。</p>
<p>三越伊勢丹ホールディングス百貨店業のセグメント営業利益率は22年3月期の−0.74％から2.01％、3.97％と急回復して25年3月期は5.34％に達したが、24年3月期は1089億円（百貨店総額売上高の10.1％）、25年3月期は1700億円（同14.8％）の免税売上高を含んでおり、これを差し引けば百貨店業の営業利益率はコロナ前19年3月期の1.38％以下に押し戻されてしまう。</p>
<p>売上高を20年3月期の2740億円から1472億円も積み上げて25年3月期で4212億円に達した伊勢丹新宿本店とて24年3月期は502億円（百貨店総額売上高の13.4％）、25年3月期は757億円（同18.0％）の免税売上高を含んでおり、20年3月期の254億円（同9.3%）との差額504億円を差し引けば25年3月期でも968億円しか増えていない。</p>
<p>「968億円しか」と断るのは、19年9月末の伊勢丹相模原店と伊勢丹府中店の閉店、22年10月２日の小田急百貨店新宿本館の営業終了、20年3月末の東急東横店の営業終了に続く23年1月末の東急渋谷本店の閉店、24年10月１日からの西武百貨店池袋本店の売場半減と全面改装工事入りなど、伊勢丹新宿本店の商圏から推計2500億円以上が消えているからだ。渋谷・新宿・池袋の他百貨店と分け合ったとしても1000億円以上が伊勢丹新宿本店に流れたと見るべきで、競合店の閉店という「敵失」や免税売上という「棚ボタ」がなければ売上は減少していたはずだ。</p>
<p>当事者たる三越伊勢丹は富裕層に特化した「顧客業への転換」の成果と胸を張るが、「敵失」と「棚ボタ」による売上増は否めず、「神話」は色褪せて見える。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>高島屋とて25年2月期の国内百貨店業の総額営業収入8589億円に対してセグメント営業利益率は3.32％と、免税売上高が1160億円（百貨店総額売上の13.5％）も営業収入を押し上げているにしては低い。コロナ前20年2月期の国内百貨店業の総額営業収入7752億円には免税売上高が687億円（同8.9％）含まれていても営業利益率は0.54％とカツカツだったから、免税売上が剥げ落ちれば国内百貨店業は赤字転落してしまう。</p>
<p>国内百貨店業の営業利益率が0.54％だった20年2月期でも、東神開発（商業施設デベロッパー）と高島屋クレジット（消費者金融）、高島屋スペースクリエイツ（建装業）が連結総額の12.5％、連結営業利益の64.8％を稼いで連結営業利益率は2.78％に踏みとどまっていたから、免税売上高が急減しても非百貨店事業が下支えするのが高島屋の強みだろう。</p>
<p>大手百貨店各社で百貨店業と商業施設業や消費者金融業など非百貨店業のバランスは異なるにしても、免税売上による押し上げは大同小異だから、免税売上が剥げ落ちれば収益を直撃するのは避けられない。それをカバーできるのはECプラットフォームビジネスとリテイルメディアビジネス、それに基づいて収益構造を抜本改革するローカルOMOマーケティング※だが、百貨店各社の現状はお寒いばかりだ。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>※ローカルOMOマーケティング・・・店舗とECの顧客と売上を一体に地域管理して在庫を適正配分、店舗を適正配置するマーケティング手法で、EC売上比率が一定（概ね20%）以上に達して店在庫引き当ての店出荷や店渡しが定着していることが前提となる。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>■未だECさえ離陸していない我が国百貨店の現実</p>
<p>三越伊勢丹のEC売上高は25年3月期で8.7％増の460億円と百貨店総額売上高の3.80％に過ぎず、ようやく黒字に転換したばかり。高島屋は25年2月期で364億円という開示もあるがIRでは「EC店舗」に104.7億円（同1.22％）が計上されているだけで、売上計上の変更もあって全容は掴みにくい。大丸松坂屋も阪急阪神百貨店もIRにEC売上の計上が見えないが、各社とも総額売上の1〜4%にとどまるようだ。</p>
<p>ECと店舗に売上の計上が分散したり変更されたりと混乱が見られるが、宅配も店舗受け取りも、FC※出荷もドロップシッピングも関係なく、オンライン決済ならEC計上、店舗決済なら店舗計上するのが原則で、業務分担に応じた手数料で精算すればよい。そう割り切れないで売上計上が混乱するのはOMO戦略が迷走しているからではないか。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>米国の大手デパートチェーンではコロナ禍を経てEC売上比率は30〜40%に達し、ローカルテザリング※で店舗在庫も引き当てて最速で受け渡すBOPIS※や店出荷が定着。EC／店舗の際を超えて地域顧客に対応するローカルOMOマーケティングが必然になり、店舗網と在庫を適正に再配置して間隙をOMOサテライト※でカバーし、顧客利便と運営効率を高めることが競われている。</p>
<p>BOPIS利便やローカルOMOマーケティングで先行したのはウォルマートやインディテックスだが、OMOサテライトの先鞭をつけたノードストロムは「ノードストロム・ローカル」を7店舗、サックスフィフス・アベニューも「ザ・フィフスアベニユークラブ」を16店舗配してBOPISやお試しの利便に応えている。</p>
<p>ローカルOMOマーケティングを進めるには地域毎に店舗売上と分担するほどのEC売上があることが前提で、概ね売上の20%以上に達してからになるが、我が国百貨店の場合は店舗布陣自体が大都市中心部に限定されており、ローカルエリアは全くカバーしていない。そんな状況では受け取りとお試し利便のOMOサテライトの展開が先行されるが、以前からの外商軸サテライトストアはともかく、OMOサテライトという発想は欠けている。</p>
<p>高島屋が15年10月にららぽーと海老名に出店した「タカシマヤスタイルメゾン」（725平米）もBOPISやお試し利便という発想が無く、フルライン店からのテザリング物流体制も欠いてダイジェスト編集にとどまり、売上が低迷して20年2月に閉店している。百貨店が立ち遅れる中、オンワードは「クリック＆トライ」（取り寄せ試着・購入）サービスを全国413店舗（25年2月末）に拡大してOMOサテライトの役割を担っている。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>米国のデパートメントストアはEC売上を総売上の30〜40%に伸ばしても、フルライン店舗の赤字に喰われて利益が限られ、アウトレットストア（実態はサプライヤー在庫が過半のオフプライスストア）や自社クレジットカードの手数料で補っている。その壁を越えるのが自社ECのマーケットプレイス化（サプライヤー出品商品も広く扱う）とOMO利便による客数と売上の拡大で、FC出荷もドロップ・シッピング※も問わない。それで凌ぎながら不採算店舗を果敢に撤収してローカルOMOマーケティングによる店舗網（フルライン店とOMOサテライト）の適正再配置をやり遂げれば、画期的な高収益体質に生まれ変わる。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>コロナ禍以降、このステップをどこまで進めたかで百貨店に限らず欧米小売業の明暗は分かれたが、競合店の相次ぐ閉店という「敵失」と免税売上という「棚ボタ」に恵まれた我が国の都市百貨店は勘違いの成功体験に本質を見失い、少なからぬ投資や減損を必要とする「羽化」（成虫への変態）を先延ばしにしてしまった。免税売上の潮が引いていく中、果敢な投資と減損を断行して遅ればせながら「羽化」するか、「幼虫」のまま朽ちていくのか、我が国の百貨店は壁際の選択を迫られている。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>※DCとTCとFC・・・入荷した商品を棚入れしてからピッキングして出荷する保管型のDC（Distribution Center）に対し、棚入れせず仕分けして送り出す通過型の物流施設がTC（Transfer Center）で、FC（Fulfillment Center）は通販の出荷用DC。「セントラルFC」と断ったのは店舗在庫引き当てのリージョナル・ロジスティクスではないからだ。</p>
<p>※ローカルテザリング・・・地域の店舗間で在庫を融通して在庫効率と顧客利便を高めるローカル・ディストリビューション手法で、サイズ在庫負担の大きい靴チェーンや紳士服チェーンはもちろん、アパレルチェーンでも活用されている。</p>
<p>※BOPIS・・・Buy Online Pick-up In Storeの略称で、ECで発注して店舗で受け取るショッピングスタイル。Curbside pickup（駐車場受け取り）もその一種。</p>
<p>※OMOサテライト・・・通常の店舗がカバーしていない地域において受け取りとお試しの利便、顧客コミュニケーションを提供する小型の無在庫店舗。</p>
<p>※ドロップシッピング・・・EC事業者に在庫を預けず、受注した宅配伝票をEC事業者から受信して出品者が自社倉庫から顧客に直送する方式。</p>
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		<title> WWD　小島健輔リポート『「アマゾン ゴー」の8年間で失われたアマゾンのOMO覇権』(2026年02月10日付)</title>
		<link>http://www.fcn.co.jp/thesis/wwdj20260210/</link>
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		<pubDate>Tue, 10 Feb 2026 05:15:23 +0000</pubDate>
		<dc:creator><![CDATA[kojima_admin]]></dc:creator>
				<category><![CDATA[論文]]></category>

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		<description><![CDATA[米アマゾン（AMAZON）は1月27日、レジレスコンビニ「アマゾン ゴー（AMAZON GO）」とレジレス食品スーパー「AMAZON FRESH」の全店を閉鎖すると発表した。オンライン食料品配達とグルメ食品スーパーの「ホ [&#8230;]]]></description>
				<content:encoded><![CDATA[<p>米アマゾン（AMAZON）は1月27日、レジレスコンビニ「アマゾン ゴー（AMAZON GO）」とレジレス食品スーパー「AMAZON FRESH」の全店を閉鎖すると発表した。オンライン食料品配達とグルメ食品スーパーの「ホールフーズマーケット（WHOLE FOODS MARKET）」への成長投資を優先して顧客基盤拡大を図り、今後数年間で100店舗以上のホールフーズマーケットを新規出店すると説明しているが、「ジャスト・ウォーク・アウト（<em><strong>Just</strong></em> Walk <em><strong>Out</strong></em>）」とうたって世界的な注目を集めたAI装備のレジレス決済システムはSF的実験に終わったのだろうか…。</p>
<p>&nbsp;</p>
<h3>「アマゾン ゴー」は無用のSF的実験に終わった</h3>
<p>&nbsp;</p>
<p>18年1月にシアトルで初公開されたレジレスコンビニのアマゾン ゴーは世界的な注目を集め、中国を中心に雨後の筍のように類似業態が続出したが、その重装備なギミックは当初から採算性も運営効率も疑問視されていた。アマゾン ゴーは初公開から5年を経て23年3月で29店舗まで増えていたが（システム外販店舗を含めれば90店舗超と推計）、アマゾンは23年3月3日、うち8店舗を閉鎖すると発表し、早くも壁に当たったという見方が広がった。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>アマゾンアカウントをQRコード認証するかクレジットカードを登録して入店すれば、AIカメラが客の行動を画像解析して（棚の重量センサーなども補足）購入商品を特定し、レジレスで商品を持って出られるというジャスト・ウォーク・アウトは確かに画期的だったが、ハリネズミのごとく多数のカメラと各種のセンサーを要して設備投資と演算負荷が大きく（レシートがスマホに届くのはチェックアウトから数分後）、実用精度に達したかも定かでなかった。</p>
<p>搬入陳列・補充管理などマテハンはもちろん、チェックインの案内と監視（酒類購入の年齢確認に加えてリモート監視にも人員を要する）も必要で、同サイズのコンビニの倍以上もスタッフを張り付けなければならず、品ぞろえの魅力も欠くことから（米国コンビニの商品密度は日本の半分以下でアマゾン ゴーはさらに低かった）、小売店舗としての採算性は到底、望むべくもなかった。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>20年9月に1号店が開設されたグロサリーストア（食料品特化のスーパー）の「アマゾン フレッシュ」では、アカウント登録してカート投入商品をバーコードと画像で読み取る「ダッシュカート（Dash Cart）」（トライアルなどでも見られるスマートカート）が導入されたが、バーコードや画像で特定し難い裸陳列の生鮮食品は顧客によるシリアルナンバーの手入力と計量に依存していたし、棚の重量センサーが効かない軽量商品は品揃えから外されていた。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>アマゾン ゴーに触発されて類似したレジレスコンビニが雨後の筍のように増殖した中国ではほとんどが短期で行き詰まり、本家のアマゾン ゴーも精度が期待値に届かず採算性も見えないまま8年を経ても実用段階に至らず、26年1月27日の撤退発表に至った。すでに15店舗まで減っていたアマゾン ゴーも、57店舗まで拡大していたアマゾン フレッシュも、全て閉店する。今後はSF的なハイテクにこだわらず「小売業態」としての魅力と運営効率を追求し、ホールフーズマーケットの多店化とウォルマートに対抗する「スーパ―センター」の開発に集中し、「ジャスト ウォークアウト」は顧客を特定できる企業内や病院内、ホテル内などのキオスク向けのシステム外販に収斂していくと見られる。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>レジレスは店舗販売における決済の効率化という「部分最適」の一手段であって、店舗小売業の利便性や運営効率という「全体最適」に比べれば極めて限定的な役割にすぎない。ましてや、アマゾンが直面するウォルマートという巨人とのOMO※1.利便競争においては何の役にも立たない「戦力外技術」だった。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>アマゾンは成算のないハイテク空中戦への固執からようやく解き放たれ、遅ればせながらウォルマートという圧倒的強者に真っ向から立ち向かうフィジカル白兵戦を決意したが、失った時間はあまりに長かった。アマゾンがSFチックなハイテク実験に費やした8年間に、ECで後発だったウォルマートは店舗物流と宅配物流を組み合わせてBOPIS※2.や生鮮食品宅配など地域顧客への圧倒的なOMO利便を確立し、マーケットプレイスを拡充してブランド商品のラインナップも広げ、百貨店顧客まで取り込んだ。失われた8年間でアマゾンはウォルマートのOMO覇権確立を許してしまったのだ。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>※1.BOPIS…Buy Online Pick-up In Storeの略称で、ECで発注して店舗で受け取るショッピングスタイル。Curbside pickup（駐車場受け取り）もその一種</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>※2.OMO（Online Merges with Offline）…ネットと店舗の垣根を超えた連携を意味し、ショールーミング（店舗からネット）による情報取得で店舗やネットの購入を促進したり、ウェブルーミング（ネットから店舗）による店取り置きや店渡し（BOPIS）、店出荷で顧客利便と在庫効率を高め物流コストを抑制するリテール戦略</p>
<p>&nbsp;</p>
<h3>「アマゾン スタイル」もとっくに消えた</h3>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>アマゾン ゴーに比べれば小さな実験だったが、アマゾンのOMOの迷走を露呈したもう一つの大失策がEC衣料品のお試し利便を狙ったショールーミングストア「アマゾン スタイル（AMAZON STYLE））」だった。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>アマゾン スタイルは22年5月にロサンゼルス北部のグレンデール・ギャレリアに登場し、22年10月にオハイオ州コロンバスのイーストン・タウンセンターに2号店が開設されたアパレルのショールーミングストアだが、先行した「ザラ（ZARA）」や「ジーユー（GU）」のショールーミングストアと同じく短期の実験に終わった。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>アマゾン スタイルはオンライン販売のアパレル商品を顧客が手に取って試着できるショールーミングストアで、1200平方メートルと広い陳列空間にかなりのバラエティーを見せることができたが、試着サンプルのピッキングと戻しのバックヤードシステムの運用負荷が大きく法外な運営人時量を要し、端から継続は難しかった。1号店（2790平方メートル）も2号店（2604平方メートル）も「ザラ」の実験店と同様なワンサイズ・ワンカラーのサンプル陳列で、ハンガーに貼り付けられたQRコードを専用アプリのカメラ機能でスキャンしてサンプルの色・サイズを指定し、試着希望のアイコンを押すとバックヤードのピッキングシステムが稼働する仕組みだった。</p>
<p>試着サンプルが用意される間、性別や身長、体重、スタイリングの好みなど幾つかの質問に答えると、試着室のサイネージにレコメンドのルックが表示され、それを試着室に届けてもらって試着することもできた。試着サンプルがピッキングされて試着室に用意されるとアプリに試着室ナンバー（1号店は40室、2号店は36室）の案内がきて、そのアイコンが試着室を解錠するキーになっていた。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「ザラ」のショールーミングストアではSKU各1在庫で販売用の在庫を積まず、オンライン購入しかできなかったが、アマゾン スタイルでは購入商品を持ち帰ることもできたから、売れ行きに相応した在庫を積んでいたはずだ。オンライン注文品を受け取ったり（BOPIS）返品したりの拠点ともなっており、それは「アルゴス（ARGOS）」※3.のショールーミングストアとも共通していた（「アルゴス」では在庫を積む母店と受け取り・返品だけのサテライト店があり、都合の良い店舗を選べる）。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>商品のタグでなくハンガーにQRコードが貼り付けられていたから、「ザラ」の実験店と同様なハンガー駆動のロボットピッキングシステムが後方で作動していたはずだが、ピッキングと戻しは自動でも検品や再プレスには人手がかさむから、試着が集中すると人海戦術がパンクしてしまう。それを回避せんとして予約制にすれば、多くの商品を陳列訴求して購入すれば持ち帰ることもできるという利便性と量販性が損なわれるから、元から前提が矛盾していた。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>ロボットピッキングシステムは設備投資もともかく、広大な後方スペースを必要としたから、1号店も2号店もショールームは賃貸面積の半分にも届かなかった。スペースの過半を占めるほど大仕掛けなバックヤードに加え、店舗従業員が100人にも及ぶほど作業量が膨大だった。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>小売店舗としての運営効率は論外で、物流施設としても法外な人時量を要したから、多店舗化はもちろん継続も不可能で、1号店の開設から18カ月も待たずして23年11月9日には両店とも閉じられてしまった。大掛かりなロボットピッキングシステムなど不必要な重装備をせず、もっと少人数でシンプルに運営できるBOPIS と取り寄せ試着のコンパクトなサテライトとして開発していれば、今頃は全米に数百カ所も広がっていたかもしれない。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>アマゾンは小売店舗の運営や店舗物流について見識を欠き、とんでもない勘違いの果てに膨大な減損とタイムロスを被ったが、わが国でもB2CのEC物流で育った人はB2Bの店舗物流の効率感覚とコスト感覚が欠けており、物流センターの自動化などで踏み外す例もあるようだ。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>※3.アルゴス…1973年創業の英国のカタログ・ショールームストアで、12年にカタログをタブレットに替えたデジタルストアへの転換を開始。ラストワンマイルを自社物流で担う体制はヨドバシカメラに酷使している</p>
<p>&nbsp;</p>
<h3>対極の手法を組み合わせて実現するOMO利便</h3>
<p>&nbsp;</p>
<p>本来、OMOは店舗販売とEC、店舗物流（B2B）と宅配物流（B2C）、セントラル・ロジステイクスとリージョナル（ローカル）・ロジスティクスを最適に組み合わせて顧客利便と運営効率の最大化を両立させるものだと思うが、多くの小売チェーンやアパレルメーカーのOMOは仮説の論理や思い込みのナラティブ（自己生成神話）で視野狭窄に陥り、偏った構図に走っている。それでも一時的には回るのかもしれないが、もとより偏った構図はコスト的にも効率的にも無理が大きく、事業が大きくなれば継続が困難になり、足を引っ張られて事業が萎縮する。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>そんなバカをわざわざやる企業があるはずないと思われるかもしれないが、前述したようにアマゾンはいくつもそんな失策を犯したし、栄光の頂点にあったかつてのレナウンは支店物流（リージョナル・ロジスティクス）からセントラル・ロジスティクス（1992年稼働の習志野インテリジェント・ジャンクション）への大転換が転落の契機になった。ならば、アンドエスティHDの常総物流センターのFC※4.的（店舗向けDCなのにEC向けFCと錯覚するようなロボットシステム）自動化も相当に危ない失策だと思われる。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>B2Bの店舗物流はB2Cの宅配物流より一個口の輸送数量がケタ違いに多く、当然に物流費負担も桁違いに軽い。セントラル・ロジステイクスは宅配業者に依存する限り、複数回の載せ替えと夜間のリージョナル間移送を要する高コストなハブ＆スポークシステムを経由せざるを得ないが、リージョナル（ローカル）・ロジスティクスなら載せ替えなしの直行便で当日中に低コストに届けられる。地域顧客のEC注文に近隣店舗の在庫を引き当てて店渡ししたり店から出荷すれば、時間もコストもセントラル・ロジステイクスより半減する。そこで活用されるのが地域店舗間で在庫を融通するローカル・テザリングで、サイズ負担の大きいシューズチェーンや紳士服チェーンではOMO以前から定着していた。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>OMOは顧客購買履歴の店舗とECの一元化から始まって在庫引き当て一元化へと進み、店舗物流とテザリングを活用したEC注文品の店舗渡しや取り寄せ試着、店舗出荷による顧客利便の最大化を実現すれば、コストも時間も抑制できて地域のOMOが成立する。さすれば、ローカルOMOマーケティング※5.による店舗網と在庫の適正再配置による飛躍的効率化というゴールも見えてくる。</p>
<p>　ヨドバシやArgosが先行し、ウォルマートが到達したOMO覇権は必ずしも壮大なシステム投資を必要とするものではない。顧客利便と経済合理性に立って店舗物流と宅配物流、ローカル・テザリングをどう組み合わせるか、多少の人海戦術は厭わずリージョナルやローカル単位に工夫すれば「成功体験」が見えてくるのではないか。</p>
<p>※4.DCとTCとFC…入荷した商品を棚入れしてからピッキングして出荷する保管型のDC（Distribution Center）に対し、棚入れせず仕分けして送り出す通過型の物流施設がTC（Transfer Center）で、FC（Fulfillment Center）は通販の出荷用DC</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>※5.ローカルOMOマーケティング…店舗とECの顧客と売上を一体に地域管理して在庫を適正配分、店舗を適正配置するマーケティング手法</p>
<p>&nbsp;</p>
<h3>システム投資には3つのリスクが伴う</h3>
<p>&nbsp;</p>
<p>アマゾン ゴーもアマゾン スタイルもデジタルな論理と大掛かりなシステムが先行して運営効率や採算性からかけ離れてしまった事例だが、大規模なシステム投資には3つのリスクが伴うものだ。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>1つ目は、多額の先行投資による減価償却が負担になって将来のリプレースが先送りされ、先行したつもりが立ち遅れてしまう「逆リープフロッグ現象」が指摘されるが、アマゾン ゴーもそれを免れないだろう。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>2つ目は、デジタルな論理や仮説がナラティブ（自己生成神話）になって検証や修正が効かなくなるリスクだが、RFID視点と画像解析視点、店舗物流視点と宅配物流視点など、どちらかに偏れば現実が見えなくなることもある。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>3つ目のリスクが、AIやデジタルな自動化に任せてフィジカルな検証がおろそかになったり、組織内や取引先、顧客とのタッチポイントが希薄になって信頼関係が損なわれてしまうことだ。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>緻密に設計してテストを繰り返しても、状況や負荷で駆動状況はデリケートに変わっていく。自動化は絶え間ない工程監視によって品質が維持されるもので、AIによるレポートなど未検証の仮説や流説のダイジェストの域を出ない（個別事象の真偽と事象間の正しい因果関係が証明されていない）。通販・EC業界で流行りのAIアシスタントやオペレーターのAI置き換えなど、顧客の落胆と怒りを買うだけで何のメリットもない。AIが期待先行で役に立たない一方、キャリアのある接客人材を切り捨てる結果となっては眼も当てられない。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>RFIDやセルフレジ、AIカメラなど店舗DXにしても、在庫管理作業やマテハンを効率化し人時量を抑制する効果は大きいが、単純にシフトを圧縮して仕舞えば顧客とのタッチポイントが希薄になり、販売機会や親しみが損なわれるリスクが指摘される。それぞれの時間帯のシフトは余裕に見えてもスタッフ間の引き継ぎや売り場のメインテナンス、顧客対応で必要な場合もあり、無駄をゼロにして仕舞えば失われるものもある。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>店舗運営人時量の抑制は12月26日の小島健輔リポート「アパレルチェーン2026年の経営課題は『賃上げ』できる店舗運営の効率化だ」に徹底して詳説したので是非ともご一読いただきたいが、店舗作業は定時・集約化と順序の組み替えで大きく削減できるもので、AI活用などより低コストで確実かつ大きな効果が得られる。貴重な人時量の有効活用に注力すれば、店舗運営やOMOの仕組みも過大投資に陥ることなく見えてくるはずだ。</p>
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